受診前に心得ておいてほしいこと
源保堂鍼灸院では、実際の鍼療に入る前にしっかりとインフォームドコンセント(説明と同意)をさせていただいてからはじめるようにしております。
もしその説明を聞いていただき、納得ができないことがあったり、鍼灸は怖いなと思ったりしましたら、ご遠慮なくその場で受鍼をお断りいただいても構いません。
しかし、実際にご来院いただいて誤解が解けるにしても、一度ご来院いただくというお手間をかけてしまうことになります。
よって、そういったことをなるべく避けるために、こちらのページでは、当院を受鍼しようと思っている方へ向けた最終的なポイントをまとめております。
もし以下の項目で、少しでも心に引っかかりがあるようでしたら受鍼はしないほうがいいと思います。
他の鍼灸院を訪ねてみて下さい。
患者様のなかにはデメリットとお考えになるかもしれないこと
1.効果の出方は個人差があります
病院の薬にも、効き方に個人差があるように、鍼灸治療も効果の出方には個人差があります。
個人差だけではなく、同じ患者様であっても、その日の体力や体調によって、効き目が変わることがあります。
鍼灸治療の効果の出方ですが、鍼灸治療を受けているその場から体調が良くなっていくことを実感される方や、鍼灸治療直後は効果の実感がないけれども、夜寝ることには改善していたとか、次の日の朝になって変化を実感する方、はたまた数日かけてゆっくり改善される方など、効果の出方にも違いがあります。
これは、鍼灸の効果の差や鍼灸師の腕前の差ではなく、鍼灸治療の効果を、身体がどのように受け止め、どのように治癒に向かわせるかという患者様の身体の個人差によります。
また、症状が慢性的なのか、ぎっくり腰や寝違いなどの急性期のもなのかなどで効果の出方も変わります。
例えば慢性的な症状の場合は、最初のうちは、効果の実感は少ないかもしれません。
これは治療効果の出方の問題であり、治療を受けることによって、確実に身体は良い方向へ変わっていくことがほとんどではあります。
ただし、稀に治療効果がない方もおります。
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2.鍼灸は一回で治ることもあるが、それは稀であること。
上記の「1.効果の出方は個人差があります」とも関係しますが、鍼灸を受鍼したからといって、1回で全てが完全に良くなるということはありません。
鍼灸治療はたいへん効果のあるものですが、一回から数回で治るのは、昨日・今日傷めたぎっくり腰や寝違え、運動などによる筋肉疲労といったものです。また、リラクゼーションのような目的であれば、疲れがたまったときに来ていただければ、一回の治療でもかなり効果が出てきます。
しかし慢性的になった症状については、ある程度の回数と頻度が必要となります。
例えば内臓疾患、ホルモンバランスの不調、自律神経の失調などは、回数と頻度が多くかかることがあります。
患者様個々の身体の状況や、症状の慢性度によって回数と頻度は異なり、また明確に「○ヶ月でよくなります」、「○○回でよくなります」とは言えないところがあります。
もしこのあたりを明確にして治療を受けたい方にとっては、鍼灸を受鍼することは不向きだと思います。
西洋医学での治療をお薦めいたします。
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3.まれにめんげん現象・好転反応があります
鍼灸治療を受けますと、身体は鍼灸の刺激をツボを通して身体に馴染ませようとします。
特にはじめて鍼灸を受けたときなどは、この鍼灸の刺激を馴染ませる過程で、身体がだるくなりすぎたり、力が抜けすぎた状態になることがあります。
場合によっては患部の症状が少し強くなることがあります。
これらは「めんげん現象」と呼ばれる好転反応で、その日のうちに収まることが多いです(ごく稀に2,3日続いたと訴える方もおります)。症状が悪化したり、他の症状を誘発したりするものではありませんが、鍼灸治療を受けたのに身体が悪くなったと勘違いされる方もいらっしゃいます。
このようなめんげん現象・好転反応が過剰に起きないように、細心の注意を払って鍼灸治療をさせていただきますが、稀にこのような反応が起きることがありますので、もしはじめて鍼灸を受けてみようかなと思っている場合は、結婚式やスポーツの試合などを間近に控えている場合は、少し余裕のあるお日にちでご予約をお取り下さい。
4.使うツボの数は多くありません・鍼療時間も短めです
源保堂鍼灸院では、闇雲にたくさんのツボを使うことはしておりません。
それは、本当に必要なツボを、数を限って厳選して使うことの方が、鍼灸の効果が高いという考え方からです。
また、使用するツボが少ないことで、身体への負担も少なくなるというメリットもあります。
一本の銀の鍼、合金の粒(マグレイン)、お灸を使って、本当に必要なところへ鍼をしていきます。
たくさんのツボを刺してほしい方にとっては、“治療をしてもらった~”という満足度が低いかもしれません。
また、鍼療時間そのものも30分程度ですので、他の鍼灸院に比べたら短い方ではないかと思います。
これはこれで理由があるわけですが、長い時間をかけて鍼灸をして欲しい方にとっては満足度が低くなるかもしれません。
もし、たくさんの鍼を刺して欲しいとか、長い鍼療をして欲しいという明確な願望がある方は、他の鍼灸院をお尋ねください。
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5.患部にはほとんど治療をしません
患部は既に元気がなくなっていますので、いくら鍼をしたり、刺激を加えても、そこから元気が出てくることはありません。
当院では、五臓の正気を調整し、弱っているところへ元気を送ることによって症状を治していくのが鍼本来の特長と考えております。
そこで、痛いところ、凝っているところへ鍼をすることはほとんどありません。
ぎっくり腰など急性期のものに対しても、患部に鍼をすることは稀です。
もちろんケースバイケースで、患部に鍼をしたほうがいいこともありますので、そのようなときは患部に鍼をすることはありますが、それはレアケースということが言えます。
よって、患部に直接施術してほしい方にとっては、源保堂鍼灸院の鍼灸は物足りないと思われますので、他の鍼灸院を当たってみて下さい。
患者様が誤解されていることが多いことなど
1.鍼の安全性について
鍼はすべて使い捨てですので、常に新しい鍼で鍼灸治療を受けることができます。
また、鍼灸師は鍼灸の鍼療をはじめる前に必ず手指消毒をしております。
鍼はザクザクと深く切り刻んではいるのではなく、皮膚表面の2~3ミリ程度のところで留まります。
2.鍼灸治療は癖(クセ)にはなりません
「鍼灸治療は癖になる。」と言われることがあるようですが、それは都市伝説です。
3.鍼には揉み返しがありません
指圧やマッサージなどには、強く揉まれたときに、反って筋肉を傷めてしまって次の日に痛みが出ることがあります。
これを「揉み返し」といいますが、鍼灸にはそういったことはありません。
初診の場合は、上述したような「めんげん現象」と呼ばれるものが起きることがあります、これは揉み返しではありません。
4.鍼灸治療にも、理論や根拠があります
現在、最新の科学をもってしても、鍼灸治療を、完全に科学的に捉えることはできません。
ツボや、気というものも、いまだに現代科学では説明がつきません。
しかし、鍼灸治療が4000年前に誕生し、その後、脈々と受け継がれてきた歴史は、鍼灸の有効性を如実に現すものです。
また最近では、EBM(Evidence-based medicine:根拠に基づいた医療)という考え方の普及により、鍼灸医療についてもその効果の根拠を、現代科学的な手法で積み上げている試みも進んでおります。
5.鍼は神経には障りません
鍼灸の鍼は、神経にはさわりません。
鍼をしたことがある方の中には、ビーンと響く感覚を味わったこともあるかと思います。
これを神経にさわったという方がおりますが、鍼灸の鍼はとても細く、また神経はとても細いので、そこに細い鍼をさらに当てるということは、まず起こりえません。
鍼を刺す深さも、神経に到達するほどではないことがほとんどです。
以上、これまで患者様と接してきて感じてきたことをまとめました。
患者様が誤解されていること、過度に思っていることなど様々あります。
鍼灸が初めての方にとってはいろいろな心配があるのは承知でおりますので、忌憚のないご意見やご質問をお寄せ下さい。
そして、もし、ここで鍼灸を受けても良いかな?と思っていただけましたら、とても幸いに思います。
でも、もしここで鍼灸を受けるよりも他所にいったほうがいいなと思っていただくことも、ここを通して鍼灸というものを知っていただいたわけですから、何かのご縁をいただいたことにとても感謝申し上げます。