哀しいとき・パート1
整体師と間違われる・・・
鍼灸師って言っているのに・・・
この間、とある会に出席したときに自己紹介をしました。
ごく簡単にではありますが、「鍼灸師の瀬戸です、どうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶をしました。
すると、「ああ、整体師さんね!ああ、揉んでもらいたいなぁ~。」と言われました。
私は心の中で、“ああ、またいつものか・・・。いつまで経っても鍼灸師はマイナーなんだなぁ。”とつぶやきました。
“鍼灸師”と話をしても、即座に“鍼(はり)やお灸(きゅう)”がイメージとして頭に上ってこないでしょうか、マッサージや整体と混同されることが多いようです。
こういったことはもう慣れっこになってしまっているので、「あ、はい、そうですね、機会があれば・・・」と軽く受け流すことにしていますが、鍼灸師になり立ての頃は、とてもとても心の中で容認できることではなくて、しばらく心が暗く落ち込んだり、「いえ、整体ではありませんよ、鍼灸です!」なんてムキになって言い返すことも多かったです。
でも、やはりおかしいですよね、「鍼灸師です」と自己紹介しているのに、「整体師」と言われるナゼの嵐。。
もはやよく分かりませんが、鍼灸はまだまだマイナーなものというのが世間一般の感覚なのでしょうね。
鍼灸師って・・・と自虐的になるしかありません。
鍼灸は国家試験なのに・・・
正式には、「はり師」「きゅう師」という二つの免許がございまして、この二つをもっている人のことを「鍼灸師(しんきゅうし、またははりきゅうし)」と呼んでいます。
この「はり師」「きゅう師」の免許は、れっきとした国家資格です。
いわば国がお墨付きをした資格ということになります。
鍼灸学校で三年間みっちりと西洋医学や東洋医学の学問を修め、同時に鍼や灸の実技も学んでいき、それでようやく国家試験を受けて、合格すれば晴れて鍼灸師になることができます。
一方、「整体師」「エステティシャン」というのは国家資格ではなく、協会や団体が付けていたり、はたまた自称だったりもするくらいのものです。
なのに・・・。
なぜ・・・。
一般の方の中には、鍼灸師よりも整体師の方が優秀だと思っている方も多いようです。
患者さんにも、「ここ(源保堂鍼灸院)よりも、ほんとは整体に行きたいんだけど、いいところが分からないから、仕方なく来てるんですよね~。」なんて言われたことがあります。
その方にとっては、この源保堂鍼灸院は“仕方なく来ている”ものなんですね・・・。
とはいえ、こちらから見ても、患者さんご自身から見ても、鍼灸の効果で症状が改善しているし、状態だって良くなっているのを実感している。
にもかかわらず整体の方が評価としては上なのでしょう、そちらに行きたいのね・・・って感じですが、そういう感じの方が多いのでしょうか、感覚としては。
もちろん私は整体師やエステティシャンを馬鹿にしたり、下に見下しているわけではありません。
はたまた無資格だと批判をしているのではありません。
整体師やエステティシャンの中には、そこそこの鍼灸師や、勉強していない鍼灸師などと比べたら、腕のある方がたくさんおりますから、それはそれですごい技術ですし、私たち鍼灸師も学ぶところがたくさんあります。
今回のお話しはそういうことではなくて、どうして国家試験である鍼灸の方が、どうも下に見られているなぁという疑問です。
少なくとも同等くらいに見てほしいと思うし、ましてや鍼灸師と言っているのに整体師と間違われるこの理不尽な現実がどうも腑に落ちなくて。
信頼される鍼灸へ
過去にも様々な先輩鍼灸師が、鍼灸の普及、鍼灸師の地位向上に努めてきてくれました。
しかし、なかなか信用されるまでには至っていないからこそ、鍼灸師と整体師が混同されてしまうなんてことが起きてしまうのでしょうかね。
私も2004年の開業以来、そのあたりも考えながら、微力ながら鍼灸の普及に努めて参りましたが、まだまだこのあたりは道半ばです。
ということで、より信頼できる鍼灸を目指して精進していかなくてはと思っています。
表参道・青山・源保堂鍼灸院
Tel. 03-3401-8125
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