an・anでも“免疫特集”
ファッション誌でも“免疫力”
an・anの特集に“免疫力”
少し前の話になりますが、患者様が、「あの女性誌、an・anが“免疫力の特集をしてましたよ!」と教えてくれました。
an・anといえば、歴史ある雑誌。
(私はリアルタイムではありませんが)かつては、non・noと並んで“アンノン族”なるものを創り出した、女性の流行を牽引する雑誌ではありませんか。
そんな女性誌が、免疫力を特集するとは・・・。
もちろん、ファッション誌ということで、これまでも体型的なお話しとか、健康美など、外見的な意味での体の特集は組まれたことはあるのかもしれませんが、こんなにストレートに免疫力という、体の中の話が取り上げられるなんてことは未だかつて無かったのではないでしょうか?
“免疫力”という言葉が表紙に現れて不思議ではない雑誌としては、『ゆほびか』とか、『ターザン』とか、健康志向のものが定石であります。
流行雑誌、ファッション誌・・・。
an・anに踊る“免疫力”の文字。
もはやこの現象も、この新型コロナウイルスCOVID-19がなせるわざなのか。
こんな日が来ようとは思いもよりませんでした。
ということで、どんなものが特集されているのか、この時代のトレンドを見てみようと、コンビニエンスストアで購入した次第であります。
特集のタイトルの上には、
「日々の食生活」
「ストレッチ」
「メンタルケア」
といった言葉が並んでいます。
ふむふむ。。
源保堂鍼灸院・薬戸金堂で日頃お伝えしていることが多く、内容的には買う必要はなかったけれども、女性の流行雑誌が免疫力を取り扱うなんてことは、これは一つの記念碑的な存在。
貴重な資料として、これはこれで参考になるかと思いました。
注意も必要
ここで注意が必要なのは、これから“免疫力を高める”ということが求められるとはいえ、中には免疫力を高めると体調を崩すという病気もあります。
それは、自分の免疫が自分の体を壊してしまう自己免疫疾患と呼ばれるものです。
たとえばリウマチなどもそれに当てはまります。
自分の免疫が関節などを攻撃してしまって、痛みや発赤などが出てくるのがリウマチです。
こういった病気を持っている方にとっては、免疫力を高めるというのは逆効果になります。
しかし、今回のan・anの特集に組まれているような内容は、決してそこまでのことはないと思います。
逆にここに取り上げられていることをしておくと、リラックス効果も出てきますし、免疫全体には良い効果が出てくると思います。
求められるはバランス
上述した注意事項を読むと、「え、免疫力を高めればいいってもんじゃないの!?」と思われるかと思います。
恐らく、私が思うに、一般的なイメージで免疫力を語られる場合、免疫は外敵と戦う印象が強いので、どうしても“強い方がいいに決まってる!”という表現になってしまうのだと思います。なので、こういった雑誌に取り上げられるときのタイトルも、“高める”イメージづくりなるのかと思います。
もちろん、これはこれで間違ったことではないと思いますし、新型コロナウイルスCOVID-19のようなウイルスに対しては、真っ当なことだと思います。
しかし、記述した注意事項のように、免疫力を上げたら反って悪化する病気もありますので、闇雲に“高める”、“アップする”という表現だけでは誤解も出てくるし、中には心配する方もあるかと思います。
そこで、“高める”というよりは、より正確に言うならば、“バランスを取る”と言うことだと思います。
必要なときに、必要な場所でしっかり効いてくれる、それが免疫の正しい方向性です。
強い弱いというよりは、性格にバランスよく効いてくれることが、免疫力の大切なところです。
新型コロナウイルスCOVID-19の重症化の鍵の一つになっているのが、サイトカインストームです。
これは、免疫力が一気にはたらき、暴走してしまって起きる現象です。
過剰に働き過ぎてしまっているのか?
暴走を止めるブレーキが利いていないのか?
いろいろな見解がありますが、これも免疫力のバランスだと考えられます。
免疫力を高めることと同時に、免疫力のバランスについても考えておく時代に入ったように思います。
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