教えることの大切さ
鍼灸の塾を再開
6月の後半から、塾を再開しました。
塾というのは、鍼を教える塾です。源保堂鍼灸院で施術している鍼灸術を教える塾です。
当院には、たまに鍼灸学校の生徒さんが治療を受けに来ることがあります。
当院の施術は、経絡治療というものを主体にしているのですが、一言で“経絡治療”と言っても、いくつかの流派があり、それぞれ違いがあったりします。また、経絡治療とは別に、奇経治療というものも取り入れているのですが、こちらもいくつか解釈の違いがあったりします。
この経絡治療と奇経治療を、両方バランスよく施術しているところは他にあまりありませんので、鍼灸を勉強している鍼灸学校の生徒さんでも驚くようです。
そういった学生さんが、学校を卒業した後に、この施術を教えてほしいと懇願されることがあります。
また、表参道に開業して14年となりますが、この間、私の施術を受けて、鍼灸学校に入ってしまった人も数人いたりもします。
私の師匠が存命であるときは、師匠が主催していた塾に入ることを推奨していたのですが、師匠も鬼籍に入り、その後その塾も未だ再開されていないとのことで、どうにも紹介することができません。
そこで責任を感じて塾をしていたのですが、諸事情があってしばらくお休みをしていました。
しかし、今回“どうしても!”という願いがありまして、6月から再開しています。
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教えることの大切さ
教えることは嫌いではありませんが、得意かどうかは分りません。
また、私の師匠のように、鍼灸術の肝を伝いきることができるのか、正直そういった不安のようなものもあります。
しかしそういったことを考えていると、いつまで経っても教えると言うことができません。
これは私の師匠も良く言っていましたが、うまくできるようになったらはじめようと思ったていたら、いつまで経ってもできるものではありません。ある程度できるようになり、自信も付く、そういった中でまた自分を育てていくと言うことを同時にしていく必要があります。
師匠は事ある毎に、「とにかく実行しなさい!」と、はじめること、動くことの大切さを我々弟子に伝えてくれました。
まだまだ教えることには未熟かもしれませんが、それでも一人でも多くの鍼灸師さんがこの施術をものにしてもらえれば、多くの患者さんが助かりますから、その一心で塾を再開です。
数年ぶりに再開してみて思うのは、やはり“教えると言うことは学ぶこと”ということです。
教えるために自分も予習もしますし、これまで作ってきたテキストを修正したりします。
また、実際に教えている最中も、とっさに良いアイデアが浮かんだり、あ、これはこのことを言っていたんだなぁと、気づくことも多くなります。
教える感覚がまだちょっと弱いところもあるのですが、とにかく実行、とにかく始動。
一人でも多くの鍼灸師が育つように、私自身も学びながら教えていこうと思っています。