【今週のひとこと養生訓】風池を押そう!!──「風」が入る季節は、首のつけ根が勝負

【今週のひとこと養生訓】
風池を押そう!!
「風」が入る季節は、首のつけ根が勝負
年が明けて生活が動き出す頃、巷ではインフルエンザや風邪が流行ってきます。周りでも、インフルエンザにかかったという話題を、ちらほらと耳にすることが多くなってきているのではないでしょうか。
昨年は早い段階でA型インフルエンザが流行しましたが、例年ですと、年を明けて出てくるのがB型のインフルエンザです。ただ、あくまでこれは“例年”でして、最近はこの例年という枕詞が合わないことも多く、インフルエンザ界隈もそれは同じ。今年はA型インフルエンザも同時に出てきそうな気配があります。
流行の型やタイミングは年によって変わります。この時期は、ニュースやSNSなどで流行の型を把握しておくことと、風邪にかからないような養生を一段丁寧にしておくのが得策となります。
風池:外からの攻撃から身を守ろう
寒さが増すと、インフルエンザだけでなく、いわゆる「寒さからのカゼ」が増えてきます。
ところで“カゼ”は「風邪」と書きますが、東洋医学・中医学ではこれを「風邪(ふうじゃ)」=外から入ってくる影響=外因として、“風の邪気”として捉えます。
風邪(ふうじゃ)の特徴はいくつかあるのですが、さらにこれに“寒邪”、いわゆる寒さが加わると、体の防御が揺らぎ、だるさ・悪寒・鼻や喉の不調、いわゆるカゼ症状が出てくることになります。
ツボの中には、“風”という漢字が入っているものがいくつかあります。
その一つが「風池」。
この風池は、首の付け根〜後頭部の境目あたりにあり、目が疲れている時や首や肩のこりなどにも使われます。
風池の「池」は、“集まるところ”という意味があります。
つまり、風池は風邪が集まるところで、こういったところには、身体に悪さをするようなものが集まりやすくなっています。
さらに加えて寒邪が集まると、一気に風邪になりやすくなります。風池は、まさに「風がたまりやすい池」のような場所。つまり、首のつけ根が冷えたり、スキマ風にさらされたりすると、体調を崩すきっかけになりやすいという発想です。
ダウンジャケットの襟が首まで当たっていても、これだけではカゼを防ぎきれないことが多くあります。
というのは、実はこの“風池のあたり”が隙間となって、冷気の抜け道になりがちだからです。住まいでも隙間風の方が寒く感じられるように、風池周辺の隙間から入ってくる冷気はいつも以上に寒さと認識されます。
この風池がある首すじが冷え、それが体全体に広がってこわばる——そんな経験のある方も多いと思います。
一般的な風邪だけではなく、インフルエンザやコロナのようなウイルス性のものも、外からの影響で入ってくるものと捉えています。外出時はぜひ、マフラーやネックウォーマーで風池周辺をしっかりガードしてみてください。
首まわりを守りつつ、日々のセルフケアとして首のところにある「風池」を上手に使っていきましょう。
風池(ふうち)ってどこ?(場所の目安)

首のうしろ、髪の生え際あたり。首のつけ根の“両脇”にあります。
探し方のコツは簡単で、
- 後頭部(頭のうしろ)のいちばん出っ張ったラインを触る
- そこから少し外側へ
- くぼみ(押すと「気持ちいい痛み」になりやすい所)が見つかれば、そこが風池の目安
※「首の真ん中」ではなく、真ん中より外側のくぼみです。
風池の押し方(1分でできる)
① 風池の押し方(かんたんセルフケア)
おすすめは“親指押し”です。
- 姿勢:肩の力を抜き、ゆっくり鼻呼吸
- 場所:後頭部のふち(髪の生え際あたり)で、首の太い筋肉の外側寄りにある“くぼみ”を確認する
- 押し方:両手の親指を当て、気持ちいい圧で5〜10秒 → ふっと離す
- 回数:これを3〜5回。最後に首をゆっくり回して終わり
- 強くグリグリしない(じわっと)
- 肩が上がらないように、首・肩をゆるめる
- 押しながら目を閉じると、緊張が抜けやすい
さらに良いのは、押す前に使い捨てカイロなどで首のつけ根を温めてから押すこと。体が受け取りやすくなります。
② “押す”だけでなく温める
お時間に余裕があれば、お風呂や蒸しタオルを活用することもありです。
- お風呂で首まで温まる
- 蒸しタオルを首の後ろに当てる
風池は冷えの影響が出やすい場所なので、温める養生と相性が良いです。
② “押す”だけでなく温める
外出するときは、襟元に隙間を作らないことが大事になります。
つまり、首の後ろに冷気が当たらない工夫をすることが大事になります。マフラーやネックウォーマーを活用しましょう。
こんなときにおすすめ
風池は「風」に関係するツボとして語られやすいので、体感としては次のような場面で使いやすいです。
- 首すじが冷えてゾクッとする
- 肩・首がガチガチで、頭が重い
- 目の疲れが抜けない
- 鼻がムズムズする/季節の変わり目に不調が出やすい
- 「あ、今日ヤバいかも」みたいな予兆がある
※症状が強い・長引く場合は無理せず受診や専門家相談を。
予防のコツは「押す」より先に“守る”
風池ケアの前提として、いちばん効く養生はシンプルです。
- スキマ風を首に当てない
- マフラー・ネックウォーマーを上手に使う
- 服は着込むより、首・手首・足首(3首)を守る
- 冷えた日は、首の後ろにカイロを当てる
特に「室内が暖かいのに、首だけ冷える」状況(=スキマ風)は要注意。
首のつけ根が冷えると、体は意外と簡単にコンディションを崩します。
まとめ:冷えないようにしつつ、風池を1分
風邪が流行る季節は、体の守り(バリア)が揺らぎやすい時期です。
首の付け根の「風池」を“冷やさない・こわばらせない”——これだけでも、冬のコンディション管理がぐっと楽になります。
「まずは首元から」。今週はぜひ、風池を意識して過ごしてみてください。冷えやすい季節は、まず首のつけ根を守る。
そのうえで、風池を1分押す。
これだけでも、日々の「予防の手触り」が変わってきます。
ぜひ今週の養生として、試してみてください。
風池を押して、カゼを予防しましょう!!
【おすすめの漢方薬】
この季節にオススメの漢方薬・漢方レメディ
この時期は、とにかく寒さ対策です。
一年でも一番寒い期間に入ってきますので、身体に冷えが入らないようにしていくことが一丁目一番地になります。
風邪の段階や風邪の性質、またご自身の体質によって選ぶ漢方薬は異なります。“全ての風邪に葛根湯が効く”、“インフルエンザに麻黄湯が効く”というのは早計な考えですので、注意が必要です。そして風邪をひいてしまったときはそのとき。それはそれで対処していくことが大事です。
以下に、風邪の時にどんな漢方薬を選ぶのかリストにしておきます。
- 衛気を強くしてバリアを強くしておく(風邪の予防)
- 風邪が入ったかな?というとき(風邪の初期消火)
- 風邪が入ってしまったとき(風邪の初期症状)
- 風邪のそれぞれの症状に(咳、鼻水、寒気、下痢、胃腸症状)
- 風邪をこじらせないように(風邪の出口戦略)
- 風邪をこじらせてしまったとき
※ 漢方は体質・状態で合うものが変わります。そのため、ここでは具体的な漢方薬の名前を出すことは差し控えさせていただきます。自己判断が不安な方は当院か、お近くの漢方薬店でご相談ください。
すでにカゼを引いてしまった方も、“ピンチがチャンス”です。一年を通した体質の立て直しを意識してみてください。そのために、鍼や漢方の力を借りながら、自分に合った養生法を探していきたいものですね。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。







