今週のひとこと養生訓(C)表参道・青山・原宿・渋谷エリアにある源保堂鍼灸院Tokyo Japan Acupuncture Clinic

【今週のひとこと養生訓】「“不寐”になっていませんか?」 

【今週のひとこと養生訓】
「“不寐”になっていませんか?」2021年4月卯月・第3週

漢方相談もできる鍼灸院がおくる今週のひとこと養生(C)肩こり・腰痛・寝違い・頭痛・生理痛など源保堂鍼灸院Tokyo Japan Acupuncture Clinic

この記事のポイント
春は肝臓の季節で、肝血というものが変動しやすいところがあります。これは睡眠と関係があるところです。免疫力のためにも睡眠を大切にしたいところです。そこで、睡眠を助ける「失眠穴」をご紹介いたします。

“不寐”とは?

 「春眠暁(しゅんみんあかつき)を覚えず」という言葉があります。

 なんだかこの言葉を口に出しただけで眠気がやってきます。春の何とも言えないけだるさ、眠気のようなものがうまく表現されているなと感じる方も多いのではないでしょうか。私もそのうちの一人で、日向ぼっこをしながらウトウトしたいなぁと思う今日この頃です。

 実はこの言葉は、中国、唐の時代の詩人である孟浩然(もうこうねん)が詠んだ漢詩が元になっています。 この漢詩の意味を改めてみてみると、次のようになります。

“春の眠りは気持ちよくて、夜が明けるのにも気がつかないくらいだ”

 春はのどかな温かさなのかでスピィと寝ていたい、そんな気分でしょうか。

 しかし、その一方で、春になると眠りにくいという方もあります。
 先週は急に睡眠が苦手になったとか、睡眠が浅いという症状を訴える方がいつもより多かったかなと思います。これは、ここ数回の『今週のひとこと養生訓』でお話してきましたように、春は肝臓の季節ということにも関係しているものでもあります。春はエネルギーが強いので、勢いがついて落ち着かない、制御ができないといったことがあります。もちろん、それだけが理由ではありませんが、そういったアプローチで体をみてみることもあり、東洋医学ではそれが大切である、ということであります。

 東洋医学では、こういった睡眠がうまく取れないことを“不寐(ふび)”といいます。不寐の“寐”という字、日本ではあまり見慣れませんが、これは誤字ではありません。日本語で言えば“不眠”ということになりますが、今回は“不寐”で通したいと思います。

 かなり昔の書物からこの“不寐”という言葉が出てきますので、眠れないという症状は、今に始まったものではなく、昔から多くの方がつらく感じていた症状の一つだったようです。みんながみんな、“春眠暁を覚えず”であればよいのですが、なかなかそうはいかないのだなと思いますよね。

失眠穴のご紹介

 睡眠がうまく取れない不寐。

 こうなるには様々な要因がありまして、それぞれの体で異なります。これは実際の体を観てみないとわからないことなので、個別のご相談はご来院されたときにお尋ねいただけたらと思いますが、昔から不寐に効くツボとして知られているのが、「失眠(しつみん)」というツボです。

 こういった、“特に○○に効きます!”というツボは、“特に効果が出やすいツボ”という意味で、「特効穴(とっこうけつ)」と呼ばれます。もちろん人間の体ですし、ツボは本来は鍼灸師の見立てがあってこそのものですから、いくら特効穴といっても必ず全ての方に効くというほどの保証はできません。
 しかし、特効穴は、最大公約数的に割と効果が出やすいものという研究や言い伝えがあるからこそ残っているものですから、〝まずはやってみる価値がある〟というツボになります。

 ということで、“失眠(しつみん)”というツボ。

 失眠とは中国語で不眠のことですから、〝不眠に効くツボ!〟と一目瞭然です。
 この失眠穴は、近代になって見つけたツボですが、不眠症にはよく使われています。

 ツボの位置はかかとの真ん中と分かりやすく、比較的使いやすいと思います。

 かかとは皮が厚く、感覚も鈍感なところです。
 そこで、軽く指圧をするくらいではあまり効果がありませんので、お灸をすることをお勧めいたします。
 台座のついたお灸でかまいませんが、皮が厚くて熱がしっかりとツボに伝わらないこともありますので、熱めのお灸をするか、軽めのお灸を2度、3度と何回かやって、ジーンと熱さが伝わるくらいにした方が良いです。
 また、お灸をするタイミングは寝る前です。寝る時間よりも早くやりすぎると、失眠穴で出てきた眠気を逃してしまうことになりますので、もう今日はあとは寝るだけというときにやってみてください。
 そして、失眠穴で眠気がやってきたら、潔く寝ることです。患者様のなかには、不眠症と訴えながら、直前までスマホをいじっていたりして眠れない、眠れないと訴えていることも少なくありません。失眠穴にお灸をしたら眠気がやってきますので、無駄な抵抗はせずにそのまま床についてください。

養生訓のおさらいも

肝血も大切です

 今週のひとこと養生訓は、久々にツボのお話をしました。
 既述したように、肝臓の影響で眠れていないこともあり、こじらせている場合は失眠穴だけでは追いつかないこともあります。
 そこで、この春の間におはなししてきたことをおさらいし、肝血の充実を心がけてほしいなと思います。

アイマスクなど

 個人的な話で恐縮ですが、私自身もそれほど眠りが得意というわけではありません。
 とくに、明るさがあるところでは全然だめです。
 その明るさも、照明器具についている常夜灯(豆の電球)でも明るく感じてしまうんです。
 基本、真っ暗ではないと眠れないタイプです。
 
 そこで、真っ暗を確保できないときや、カーテン越しに入ってくる街灯などが気になってしまうときはアイマスクを利用しています。睡眠中に勝手にアイマスクを外しているので、それほど窮屈な感じもしません。

 このような経験をして自分もわかったことですが、もしかしたら微妙な光でも睡眠が妨げられている可能性がありますので、アイマスクの使用などもおすすめします。また、当然ながら、スマホなどは、強い光が目に入ると一気に眠気が飛んでしまいますので、電源を切っておくことをお勧めいたします。
 

オススメの漢方薬・漢方レメディ

  • 酸棗仁湯
  • 心脾顆粒
  • 晴明丹
  • 亀鹿仙

 漢方薬・漢方レメディに関しても、何かありましたら、お気軽にご相談くださいませ。

これまでの『ひとこと養生訓』はこちらから

まん延防止等重点措置を受けて

 鍼灸院は医療機関であります。
 医療は皆様の健康のためにあります。
 鍼灸院は、病院ではカバーしきれない日常生活の不調の相談にのるところです。

 「まん延防止等重点措置」のなかにあっても、そこは変わりません。 

 鍼療・漢方相談は、これまで通り、通常の開院日時で行っております。
 また、こらまでと同じように、消毒などの感染症対策に気を配ってまいります。

 ご予約時間ちょうどのご来院など、患者様にもご協力を賜るところもありますが、皆様ご自身のためでもありますので、そのあたりはご賢察のほどよろしくお願いいたします。 

具体的な当院の感染症対策

  • 院内の換気を十分に行う
  • 院内の消毒を十分に行う
  • 施術時の手指消毒をいつもより濃い消毒液で行う
  • 3密にならないように配慮する
  • 感染症に対する情報を常に収拾し、提供する
  • スタッフはマスクを着用する
  • 国の接触アプリを活用する

※ 院内はとても狭いため、3密にならないようにご予約時間ちょうどにいらしていただいております。皆様のご協力を賜りたいと思います。

ご予約に関して

ただいまみなさまには、ご予約の日時を2週間以内くらいのものにしていただいております。
といいますのは、医療機関といえども、政府や自治体、そしてお勤めの会社などから移動の制限をされる可能性もあり、また、ご予約日直前で発熱などがあった場合は受鍼をお断りせざるを得ないこともありますので、あまり先のご予約は予定が立ちにくいからです。
ご配慮いただきまして、ご予約をいただけたらと思います。

また、このような状況になりまして、みなさまそれぞれの生活環境なのかで時間を割いてご予約を取っている方がほとんどです。
安易なキャンセルや時間変更は、他の方のご予約の妨害行為となりますので、度重なる場合は今後の鍼療をお断りしますので、合わせてご賢察ください。

感染予防のために、みなさまにはご協力をいただきまして、誠にありがとうございます。

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