休校、在宅勤務にする意味
子どもと感染ルートについて
2020年の冬はインフルエンザが流行らなかった
小児病院の門前にある調剤薬局でお仕事をしている知人がおります。
その知人のお話ですと、今年の冬はとても暇で経営面でとても困ったということなのです。
どうしてでしょうか?
それは、子どもたちがステイホームで家にいたため、風邪やインフルエンザにかかることもなく、外出もなかったのでケガをする子も少なかったからだそうです。
また、これは患者様からうかがったお話ですが、今年は学校や保育所の多くが休校になったために、そこで子どもが風邪をうつされることもなかったので、家に風邪を持ち込むこともなく、みんな元気に過ごすことができたということです。
いつもの冬ですと、たいていは子供が学校で風邪をもらい、それが家庭内で蔓延し、次から次へと順番に家族皆が倒れていく・・・。そんな光景が繰り広げられていたそうなのですが、今年の冬はそれがなかったために、無事に過ごせたということなのです。もちろんエネルギーがあまりあまってたいへんではあったとはおっしゃっていましたけども・・・。でも、インフルエンザや風邪で消耗していくよりは、元気でありあまっている方のがはるかによいわけであります。
以上二つのお話しを考えてみると・・・。
ということは・・・?
インフルエンザや風邪が流行るのは、やはり「密」
実は風邪やインフルエンザが広がるルートで大きいのは、学校や保育所、幼稚園といった子どもが集まる場所。
つまりそれは、今言われている「密」になる場所であるということになります。
まだまだ聞き分けのない子どもたちに、マスクしなさいといってもできるわけもなく、鼻をほじっちゃダメよといっても守れるはずもありません。こどもはまだ免疫力も完成していないので、風邪もかかりやすいですし、大人よりも鼻水ずるずるというのは普通で、服の袖で鼻をこすってしまうなんていうことも当たり前で、それを大人が止めることはできません。言葉を理解できる大人だってできない人はいるのですから。
これは子どもが悪い!といか、学校や保育所が悪い!といっているのではなく、あくまで風邪やインフルエンザの感染ルートとして、やはり学校や保育所、幼稚園などが密になってしまい、とてもかかりやすい場所であるということ、その現実を認識しておいた方が良いというお話しです。
上に挙げました患者様のお話しのように、子どもがかかってしまうと、家族全員が全滅してしまうということはよくある話です。
つまり、学校や保育所、幼稚園などで子どもが風邪やインフルエンザをうつし合っているという状況は、そのまま家族・過程に移行し、さらには社会全体に広がっていき、とても大きなダメージになるということを意味しているのです。
学校関連の休校は正しかったのではないか・・・
今回の新型コロナウイルスCOVID-19は、未知なるウイルスとして当初からかなり恐れられていますが、しかし、その後の経過を見ていると、ウイルス自体が怖いというよりは、“医療崩壊が起きる”ことのほうが危険であることが分ってきたと思います。
日本の死亡率がこれだけ低い要因の一つは、医療崩壊が起きなかったことにもあると思われます。
もし、あの3月や4月の第一波のピークがやってくる頃に、学校や保育所などが休校になっていなかったとしたら、どうなっていたでしょうか?
恐らく学校や保育所では、インフルエンザや風邪が流行り、流行らなかったとしても、例年通りくらいの風邪症状の人が増えていたら、きっと、「コロナっぽいけどどうしよう」という人が大勢出てきて、PCR検査はあっという間に逼迫し、病症もすぐに埋まっていたと思います。
識者の中には、学校を休校にしたことを天下の愚策といったり、子どもや学生は新型コロナウイルスCOVID-19にかかりにくいし、かかっても無症状で治ることが多いから通わせて良かったという医療関係の人もいました。
しかし、本当にそうでしょうか?
新型コロナウイルスCOVID-19にかかるところに問題があるのではなく、“コロナっぽい症状”が増えたときの“医療崩壊”の方が怖いのです。
在宅勤務・テレワーク推進も
このように考えますと、在宅勤務やテレワークの推進も一定の感染拡大防止に効果があっただろうと思います。
会社もまた密です。
会議をしたり、対面で打ち合わせをしたりしますので、会社もまた3密になる機会が多くあります。
ということは、やはり3密を避けたのは良かったことなのでしょう。