気・血・水 ー 初歩的なおはなしとして
気・血・水って何?
身体の中を流れる3つの要素
東洋医学では、身体の全身に流れる要素を、「気」「血」「水」という3つに分けています。
これは、身体を診るとき、身体を施術するとき、施術後の変化などを観るときの指標にもなります。
これら3つの要素が十分にあり、さらにそれらが十分に巡ることによって、身体の健康が保たれることになります。
それでは、その「気」「血」「水」とはなんでしょうか?
気について
「気」というと、なんだか神秘的なもの、もしくは怪しげなもの、と思われている方も多いようです。
まだこの「気」というものが何であるかは、科学的には証明しきれていませんので、“そんなことを言い出す東洋医学は前時代的だ!”という誹りを受けることは承知しておりますが、それはそれで置いておくとしまして、「気」とは何か?
「気」とは、この身体を動かす動力・エネルギーのこと。
逆に言えば、このエネルギーがあるからこそ“生きている”という現象が起きます。
動力・エネルギーというのは、単に、手が動くとか、膝が曲がるとか、そういった肉体的なことだけではなく、精神という心の活動なども含みます。身体のあらゆるところ、あらゆる場面で、「気」という動力・エネルギーが使われていることになります。
血について
「血」とは、狭い意味で言えば、西洋医学で言うところの血液と同義になります。
血液は酸素や栄養などを運ぶ器です。
血液という器が少なくなったのが、「貧血」という状態です。このような貧血の場合は、血液が少なくなるので、東洋医学では「血虚」と呼びます。
また、よく言われる“ドロドロ血液”というのは、血液が濁っていたり、濃くなっている状態で、流れが悪くなったものを指し、これを東洋医学では、「血瘀(けつお)」「瘀血(おけつ)」と称します。
気と血は、お互いが揃っていないと良いはたらきをしてくれません。
例えば、気だけあっても、血液が少なければ酸素や栄養を運ぶ器が少ないため、身体のあちらこちらで栄養が不足することになります。
また、血液だけあっても、気が少ないと、動力がたりないために、血液を全身に巡ることができませんので、結果として、やはり全身の栄養状態が下がります。
このように、気・血はお互いがお互いを必要とする関係になっています。
水について
水は、血液以外の水分のことを指します。
“気・血・水”とは、実は本場の中国よりも、日本の漢方の世界ではよく言われる言葉なのですが、より正式に言うと、水は、「津液」と言います。
津液とは、「津」と「液」に分かれ、前者の「津」は、汗や唾液など、比較的浅いところにある水分のことを言い、「液」は、関節液、髄液など、より深いところにあって、組織や器官を満たし潤している水分のことを言います。
気・血・水が巡っているという自覚を
気・血・水について、簡単に説明してきました。
これらを一つ一つ、より深く解説するだけでもかなりの紙面を必要としますので、今回はこのくらいにしておきますが、先ずは、こういったものが身体の中を流れていると言うことを理解していただけたらと思います。
そして身体の不調というのは、これらの3つの要素が減ったり、流れが悪くなったりすることで起きている、ということを念頭に置いていただけたらと思います。
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