曹操は頭痛持ちだった?三国志と鍼灸・漢方の意外な交点
この記事の要点
曹操は頭痛持ちだった?三国志と鍼灸・漢方の意外な交点
結論|曹操の周辺には医学史の中核人物が集まっていた
結論から言うと、曹操の周辺には張仲景・王叔和・華佗という中国医学史の中核人物が集中的に登場します。
この記事では、曹操の頭痛の逸話を手がかりに、三国志と東洋医学(鍼灸・漢方・脈診)が交わるポイントを初学者向けに整理します。
曹操は裏の主人公!?
漢末の三国時代は、魏・呉・蜀で覇権を争った混乱の時代です。
魏は曹操、呉は孫権、蜀は劉備。
『三国志』では蜀の劉備が主人公で善玉、そして曹操は「治世の能臣」「乱世の奸雄」と評されるように、悪玉として描かれています。
しかしその一方で、本当は曹操は清廉な政治家であり、実は曹操が主人公であったという説があるほどで、時代の評価やその当時の権力によって裁かれた物語といえなくもないようです。
曹操と接点を持つ三人の医家
本日は、その曹操と東洋医学の接点を見てみます。
曹操と関係する医家は三人います。
それは張仲景(ちょうちゅうけい)、王叔和(おうしゅくか)、華佗(かだ)の三人です。
張仲景(『傷寒雑病論』)とは
張仲景は中国では「医聖」と呼ばれる人で、現在でも湯液学の原典になっている『傷寒雑病論』という書物を記しています。
王叔和(『脈経』)とは
次の王叔和は、『脈経』という脈診の総合書を書いた人であり、『脈経』は脉診についてまとめた最初の本ともいえます。『脈経』を書いた王叔和は、魏王国の太医令(一番くらいの高い医者)にまでなっています。
華佗(鍼灸・導引の伝説)とは
そして華佗は「五禽の術」と呼ばれる健康体操(導引)を創始したとされており、また、数々の秘話を持つ伝説の医家であります。
これら、中国の医学史の中でも名前の通った3人が、いずれも曹操と接点を持っているのは面白いお話です。
史実の中では、曹操は極度の頭痛持ちだったことが見受けられます。かなりの頭痛だったようで、曹操にとってはこれもまた悩みの種であったようです。そのため、中国全土から選りすぐりの医家が集まられていたようです。
曹操の頭痛は何だったのか
権力者に登りつめていく過程で、常人には理解できないとてつもないストレスもたまっていたことでしょう。蜀や呉といったライバルがいて、赤壁の戦いで大敗するなど、そのストレスは休むことなく早々の健康を蝕んでいたのではないでしょうか。さらに年齢を重ねるについれて、曹操の頭痛はどんどん悪くなる一方であったと言います。権力を持ちながら頭痛もちでもある、そういった背景からして、曹操自身がいろいろな治療方法を探し求めていたことは容易に想像がつきます。
歴代の医家の中でも一際目立つのが華佗ではないでしょうか。イスクラ産業株式会社の漢方商品の中に、『華佗膏』という水虫に効果があるとされる軟膏がありますが、これは華佗の名前を借りてその効果を謳った商品であります。
華佗は曹操の頭痛を鍼灸で治療し、かなりの効果を上げていた言います。曹操は華佗の腕にほれ込み、華佗を自分の下に置こうとするのですが、庶民の中の医療人として生きる華佗にとって、曹操の申し出はありがたくなく、それに応じません。それに怒った曹操は、華佗を捕まえ、終には死刑にまでしてしまいます・・・。その後曹操の息子が病気になり、治ることなく若くして亡くなります。そのときに曹操は、「私が華佗を死刑にしたことで、息子の命まで奪ってしまった・・・」と嘆き悲しんだといわれています。
このように、『三国志』のもう一人の主人公、曹操にも、このように東洋医学との接点を持っていたのでした。
当時はまだ紙も出版技術もなく、その頃の本は失われています。また、華佗の医療も詳しくは伝わっていません。物語を通して華佗の足跡を知るのみです。
陳寿の曹操評
最後に陳寿の曹操評から・・・
「曹操は、才能ある者には、官職を授け、各人の器により才能を開花させ、(中略)遂に、最高権力を握り、大事業を達成したのは、彼の明晰な構成力が、優れていたからである。曹操こそは非常に傑出した人物であり、時代を超越した英傑であるといえる。」
物語の頭痛は過去の話に見えて、現代の私たちにも通じます。忙しさや緊張が続くと、身体の巡りが乱れて痛みとして出る——この捉え方は今でも有効です。気になる方は、生活の整え方やケアの選択肢として鍼灸も一つの手段になります。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。




