骨湯(こつゆ)とは?魚の骨でつくる滋味の汁|東洋医学では「腎」と「骨」を養う
この記事の要点
骨湯(こつゆ)とは、魚を食べ終えた後の骨や頭にお湯を注ぎ、滋味を最後までいただく食べ方です。東洋医学では骨は「腎」に配当されるため、冬の養生としても理にかなっています。
結論|骨湯は「捨てない知恵」+「冬の養生」にもなる
食べものをムダにしないという心
先日、患者様よりアジの開きをいただきました。
アジの開き、私にとってそれはごちそうであります。
ごはんがすすみます。
最近はお魚の消費が減ってきているといいますが、魚も身体に必要な栄養が一杯ありますので、これからも変わらず食べてもらいたいと思うのですが、皆様はいかがでしょうか?
食習慣というのは小さい頃から積み重なっていくものなので、できたら食の好みができあがる幼少期の頃から、お魚も食卓に上がってほしいものだと常々思ったりもします。
骨があるからめんどくさいとか、骨があるから危ないとか・・・。
確かに魚を上手に食べるのは難しいですよね。
でも、もう少し一歩踏み出してみてはどうでしょうか?
骨があっても、小さな骨くらいだったらよく噛んで食べよう、そうすると魚の味もしっかり感じられるし、噛む習慣がつくし、食材全体をしっかり味わい尽くす、つまりは人生の様々なものを大切にする、そんな食生活が育つのでは、と思います。
骨湯(こつゆ)とは?
骨湯(こつゆ)とは、魚を食べ終えた後の骨や頭にお湯を注ぎ、滋味を最後までいただく食べ方です。東洋医学では骨は「腎」に配当されるため、冬の養生としても理にかなっています。
骨湯のやり方(3ステップ)
お魚を食べると骨や頭の部分が残ります。
ふつうはそのまま捨ててしまいますよね?
だってもう食べるところはないでしょ?
そうです、確かにもう身はないですし、そういう意味では食べるところはありません。しかし日本には、食べ終わった後の魚にお湯をかけて汁にする、骨湯(こつゆ)という食べ方があります。
用意するもの(骨・お湯・醤油少々)
魚(食後の骨・頭)+お茶碗+湯のみ+お醤油
手順1.お茶碗に骨を入れる
用意したお茶碗に、食べ終わった後の魚の骨、頭、皮などを入れます。
手順2.熱湯を注ぐ
魚の骨や頭が入ったお茶碗に、熱湯を注ぎます。
手順3.完成:醤油少々を垂らす
熱湯を注いだ後、少しお醤油をかけると味が深まります。お醤油の加減は、お好みで調整して下さい。

このようにお湯をかけるだけで、お魚から出汁が染み出てきます。
「骨湯」というだけあって、ここに出てくるエキスは、骨から滲み出てきたものです。つまり、骨の髄から出てくるものなので、とても滋味を感じることができます。
腎・骨を強くする
東洋医学的に考えると、「骨」は「腎」に配当されます。
腎は生命力の基になる精気が格納されているとても大事なところ。
骨をいただくということは、腎を強くする、つまりは精気を補充することになります。
そしてその部分をいただくということは、その部分強くなるというのが薬膳の思想ですから、骨湯によって骨の強化も期待できます。
季節と臓腑の関係で考えると、冬は腎の季節。
骨にとっても大切な時季となります。
そこで、腎は生命力の原動力なので、骨湯は通年したい食習慣ですが、とくに冬には欠かせないものとなります。
お魚を食べた後は、骨湯も召し上がってみてはいかがでしょうか?
感謝の仕上げ
食事というのは、自分の生命を維持することであります。
それは相手の命をいただくということでもあります。
それほど厳粛なことであるならば、最後まで感謝していただくことが本当の礼儀というものとも考えます。
お茶碗で骨湯をすると、お湯ですすいだようになりますのでお茶碗がきれいになります。
もちろん食後に食器を洗いますが、その前に骨湯をしておくと洗いやすくなります。
以前お寺で食事をしたときに、最後にお茶をお茶碗に注ぎ、たくわんでお茶碗を掃除しながらお茶とたくわんをいただくということを教わりました。これもまた、食器を洗ってくれる方が楽にできるようにという、食事をする側の配慮だということだそうです。
食材に対して最後まで礼儀を尽くす。
そして食事を出してくれる方にたいしても、きれいに食べて食事をいただく喜びを表現する。
このように骨湯というのは昔の人の智恵の一つだったように思います。
注意点(安全・マナー・体質)
この骨湯という食べ方が食の礼儀(マナー)にかなったものかどうかはわかりません。高貴な人がこんな食べ方をするなんて聞いたことがありませんので、やはり庶民の知恵なのではないかと思います。
なので、公の場でこんなことをしたら、“なんて行儀が悪いの!”と叱られるかもしれません。
しかし、最後まで命をいただくという観点からすると、この骨湯というのはとても良いことではないでしょうか?
食材は、生命が自分の命を犠牲にして与えてくれたもの。
その命を最後までいただくという姿勢は、何よりも尊いことではないでしょうか。
注意点としては、骨を飲み込んだりしないように気をつけてください。
また、場合によってはアレルギー反応が出る方もいるかもしれませんので、おかしいなと思ったら即座に食べるのをやめてください。
FAQ よくある質問とその答え
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参考文献

源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。







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