帰経とは?
帰経について
漢方薬に使われる生薬には、それぞれ体内の中で、その作用がどこの臓腑・経絡に及ぶかという性質がある。生薬がどこに選択的に作用するか、このことを「帰経」という。これは、東洋医学・中医学独特の概念であるが、現代の薬理学でも、どこにに作用するかと言う薬物の標的があるが、帰経はそれに似た概念である。
以上をまとめてると、帰経は、経絡学説および臓象学説に基づきながら、薬効が到達する臓腑・経絡を示したものであると言える。
同じ効能をもつ薬物であっても、帰経が異なれば、その薬効が届く臓腑・経絡が変わるため、どの病に効果が現れるかと言う適応も変わることになる。つまり帰経とは、病変の所在する臓腑や経絡に応じてどの薬物を選択するべきかを決める重要な指標となる。
たとえば、同じ清熱作用をもつ生薬でも、黄連は心・胃に帰経し、主に精神症状や消化器の熱に用いられる。一方、黄芩は肺・胆に帰経し、呼吸器や少陽病の熱に適応される。
このように帰経は、「どの部位に効くか」という使い分けを可能にする。これは漢方薬を処方するときにとても重要なことになるので、この帰経という概念を知らないで漢方薬を選択することはできない。
また、帰経は生薬の性味(四気五味)や色とも関係しており、たとえば「酸は肝」「苦は心」といった対応関係が知られている。これらは薬物の作用傾向を理解する上での手がかりとなる。帰経は、経絡や臓腑の理論と密接に関係している。また、生薬の性質を表す四気五味ともあわせて理解することで、より立体的に把握できる。
帰経の概念は、薬効を単なる成分作用としてではなく、人体の機能的ネットワークの中で捉える東洋医学の特徴をよく表している。
「帰経」の定義
帰経とは、「その薬がどこに届き、どこに効くのか」を示す指標である。これは、経絡学説および臓象学説に基づくものである。
帰経の具体例
| 生薬名 | 主な帰経 | 作用のイメージ |
|---|---|---|
| 甘草(かんぞう) | 心・肺・脾・胃 | 全体調整、補気、緩和作用(広く作用) |
| 麻黄(まおう) | 肺・膀胱 | 発汗・鎮咳、呼吸器系に強く作用 |
| 柴胡(さいこ) | 肝・胆 | 気の巡りを整え、ストレス・情志に関与 |
| 黄連(おうれん) | 心・胃・肝 | 熱を冷まし、炎症・精神症状に対応 |
| 当帰(とうき) | 肝・心・脾 | 血を補い、婦人科・循環系に作用 |

Save Your Health for Your Future
身体と心のために
今できることを

源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。
Goal to AuthenticAcupuncture
古医書を読み込んでいく
伝統鍼灸の基礎づくり
同じカテゴリーの記事一覧





