【今週のひとこと養生訓】春の心疲労に「労宮」|自律神経と東洋医学で整える養生法

この記事の要点
春に「心が疲れる」理由とは
春は暖かくなり、活動しやすい季節です。
先週の『ひとこと養生訓』でもお伝えしたように、この清明の時季は一年の中でも過ごしやすさを感じる頃。
その一方で、「なんとなく疲れる」「気持ちが落ち着かない」と感じる方も少なくありません。
これは気温差や環境の変化によって、心身のバランスが乱れやすくなるためです。
特に今年は寒暖差が大きいように感じます。
春はもともと冬からの変化をするためにエネルギーが強く、自律神経も揺らぎやすくなりますので、その分、疲労も蓄積しやすくなります。そこに睡眠不足などが少しでも重なると、疲労は抜けずにますます溜まるばかりとなります。
東洋医学で見る春の疲労(肝と自律神経)
今年は特に変化が激しい春でしたので、この『ひとこと養生訓』でも何度もお伝えしてきましたが、改めまして、「東洋医学では、春は「肝」の季節」です。
肝の働きは以下のようになります。は気の巡りを調整し、感情や自律神経とも深く関係しています。
この肝の働きが乱れると、
- イライラ
- 不安感
- 疲労感
といった不調が現れやすくなります。
そしてその不調は、下図を見てもらうとわかるのですが、「木=肝」から「火=心」へと影響が及びますので、肝(木)が強くなりすぎると、心(火)はそのエネルギーを受け止めきれずに、肝とともに心も乱れてしまうことになります。

「春の心疲労」とは、こうしたメカニズムによって起こると考えられます。
肝の養生だけでも大変なのに、心の養生もしないといけないなんて・・・なんか想像するだけでも嫌になりますね・・・。
でも、大丈夫!!
そんなときは、ツボを押してみましょう!!!
労宮とは何か|心と巡りのツボ
労宮(ろうきゅう)は、手のひらにあるツボで、心包経と言う経脉に所属します。この心包経とは、心臓に関係するもの(心包=心膜という説が中医学では一般的ですが、私はその説を取りません、臨床的ではないからです)です。つまり、血流の巡りを整える働きがあります。
労宮の「労」とは、労働の労でもありますから、疲労やストレス。そして「宮」は“集まる”という意味がありますので、この労宮の場所に疲労やストレスが集まっていると考えられ、またそこを押すことによって疲労やストレスを和らげる作用があるとされています。
ツボが発見されたのは、恐らく4000年前あたりからだと思いますが、その頃から人間は疲労やストレスを感じ、なんとかそれを除去しようと懸命だったのだろうと、この労宮という名前の由来からもわかります。
労宮の場所と押し方
労宮は、手のひらの中央付近、軽く握ったときに中指が当たるあたりに位置します。
押すときは、
- 反対の親指でゆっくり押す
- 痛くない程度で、気持ちいい強さ
- 呼吸に合わせて数回繰り返す:息を吐くタイミングで押す
これだけで、巡りが整い、疲れがやわらいでいきます。
心疲労を整える養生法
春は「整えよう」と力むより、自然に巡らせることが大切です。
身体の動くがままに、体が動こうとするのを邪魔せずに、そして気持ちよく。
おすすめは、
- 軽い運動(散歩)
- 深呼吸
- 外の空気に触れる
といったシンプルな行動です。
そこに労宮の刺激を加えることで、より効果的に心身が整っていきます。
まとめ|春は無理せず巡らせる
春の疲労は、頑張りすぎることで悪化することがあります。
これから暑くなっていきますので、ここで頑張りすぎるのは早すぎます。
身体と心に相談しながら、楽しく過ごしましょう。
大切なのは、
👉 無理をせず
👉 少しずつ巡らせること
労宮のケアを取り入れながら、
穏やかに、“心疲労”を整えていきましょう。
※ ご注意 ※
ツボは、本来は、その人その人に合ったものを使うことが効果的です。逆に言えば、そのツボが不要なときは効果が出ないこともあります。その時に必要なツボを押したり、お灸をすることが何よりです。
ここでご紹介するツボは、その中でも、割と一般的に使用できる安全なものをお伝えしております。
FAQ よくある質問と答え
春になると心が疲れるのはなぜですか?
労宮はどこにありますか?
労宮を押すとどんな効果がありますか?
どのくらい押せばいいですか?
春の養生で一番大切なことは何ですか?
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ここ数週間、天気も乱れがちで、何より気温差が激しかったですね。
こういった気象条件は、私たちの心と体に大きな影響を与えます。とくに、体の調整をしている自律神経にはとても負担がかかります。
それに加えて、引越しや異動、新入学など、環境の変化もありますと、さらに体調を崩しやすくなります。
頭が疲れる・・・
体が疲れる・・・
気持ちもなんだか・・・
こういったものは、放置しないでご相談ください。
鍼を受けるのが怖い方でも、漢方薬なら大丈夫ではと思います。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。







