【今週のひとこと養生訓】春のイライラは肝疲れ?東洋医学で整える春の養生法

この記事の要点ポイント
春は「肝」の季節。東洋医学では、肝の働きが乱れるとイライラや不安感が出やすくなると考えます。肝の解毒が追いつかない、熱がこもる、肝血不足などが原因になることも。春の養生を見直すことで、心と体のバランスを整えることが大切です。
春は「肝」の季節|東洋医学の考え方
東洋医学では、春は「肝」の働きが活発になる季節とされています。
肝の働きは、力を増幅させて外に向かわせようとするものです。春の陽射しにも力強さを感じると思いますが、これは物事に陽の力を与える原動力となります。
春は地下に眠っていた動物が動き出し、そして種から芽が出ます。桜の開花宣言が待ち遠しい頃になりますが、この桜の蕾が開花する現象も、春の力になります。
このように、自然界が一気に動き出していくように、体の中でも気の巡りが活発になります。とくに啓蟄のあたりから顕著になります。
この「巡り」がスムーズで、自分の心身に味方となって現れれば問題ありませんが、滞ってしまうと心身の伸びやかさがなくなるので、鬱屈した不調が現れやすくなります。春の力はとても強いため、この力が巡らないと、その分、負のスパイラルも大きくなってしまいます。
なぜ春はイライラしやすいのか
春になると、なんとなくイライラする、不安定になるという方が増えます。
これは、肝の働きである
「気の流れを調整する作用」
「気の流れを伸びやかにする作用」
が乱れているサインかもしれません。
気の巡りが悪くなると
- イライラ
- 不安感
- 落ち着かない
- 気分の波
といった変化が出やすくなります。
春の陽気が増してくるのと逆行してしまうと、なんだか自分を責めてしまうと言ったことにもつながりかねませんね。
「肝疲れ」のサイン|こんな症状に注意
肝のバランスが崩れると、次のような症状が見られることがあります。
源保堂鍼灸院では、肝バランスが崩れることを「肝疲れ」という名称をつけていますが、以下のような症状が出てくることになります。
- イライラしやすい
- 怒りっぽくなる
- 不安感が強くなる
- 目の疲れ
- 体のだるさ(とくに関節)
- 自律神経の乱れ(睡眠への影響など)
こうした状態が続く場合は、「肝疲れ」となっている可能性があります。
こういった「肝疲れ」の症状は、西洋医学の検査では出ないものばかりです。東洋医学・中医学のような、症状を心身の全体として捉える見方がないと分析できないところがあります。
イライラの原因は「肝の解毒・熱・血不足」
それでは、この時期によく感じるイライラの原因を考えてみましょう。
その原因にはいくつかありますが、とくに重要なもの、三選をお伝えいたします。
● 解毒が追いつかない
肝は解毒の役割も担っています。
負担がかかると処理が追いつかず、不調として現れます。
春は風が強くなることが多く、チリやホコリなどが舞い上がり、花粉と相まって体の中に入ってきます。こういったものを肝が解毒してくれるのですが、普段の生活の中でその解毒作用を弱めてしまっている人が多くあります。
● 熱がこもる
ストレスや生活習慣によって、体の中に熱がこもるとイライラしやすくなります。
とくに東洋医学の脈診で見ていくと、花粉などのアレルギー反応が体の中で熱を発して、それがために熱がこもることが多いようです。
● 肝血不足(東洋医学的な血の不足)
肝臓は血液の配分を行っている臓器と東洋医学では考えていますが、春先のエネルギーで肝臓のバランスが崩れると、血が不足し、精神が不安定になりやすくなります。
肝臓は「将軍の官」といって、軍隊のような存在ですので、そもそも怒りやすいと言う側面があります。そこで、肝血不足によってイライラしやすくなる傾向にあります。
NG習慣|肝を疲れさせる行動
肝の負担になる生活習慣にも注意が必要です。
- 夜更かし・寝不足 → 眠くなったらすぐ寝ましょう
- アルコールやカフェインのとりすぎ → ほどほどにしましょう
- 目の使いすぎ → ゲームやSNSにハマっていませんか?
これらが続くと、肝のバランスが崩れやすくなります。
身体や心が何か症状として訴え始めたら、それは危険水域に入ったというサインです。そんな時は潔く、自分の体の声に耳を傾けてください。
まとめ|春は肝をいたわることが大切
春は心も体も動きやすい季節ですが、その分バランスを崩しやすい時期でもあります。
イライラや不安感を感じたときは、
「肝が疲れているサインかもしれない」と考え、生活を見直してみましょう。
春は、無理に抑え込むよりも、
巡りを整えてバランスを取ることが大切です。
FAQ よくある質問と答え
春にイライラしやすいのはなぜですか?
肝疲れとはどんな状態ですか?
肝を整えるには何をすればよいですか?
食事で気をつけることはありますか?
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身体と心のために
今できることを
【おすすめの漢方薬】
この季節におすすめの漢方薬・漢方レメディ
漢方に使われる生薬には、特定の臓器に入りやすいという性質があります。この性質のことを「帰経(きけい)」と言います。
肝臓によく帰経する生薬が柴胡(サイコ)とよばれるもの。
柴胡が入っている漢方薬には、逍遙散、航気散、柴胡桂枝湯など様々なものがあります。その中からどれが良いのかは、源保堂鍼灸院にてご相談ください。
※漢方薬は体質や症状で適否が変わります。こちらは目安として挙げておりますので、どれが適しているかは、当院をはじめとする漢方に強い薬局・薬店でご相談ください。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。






