皮膚のはたらきについて
皮膚のはたらき
皮膚は身体の表面をおおっているものです。
女性にとっては“おおっている”というはたらき以上に、美容的な意味合いのほうが意識されるかと思います。
また男性にとっても、皮膚のたるみや張りの低下によって、近い将来やってくる老いを感じるところかもしれません。
皮膚は自分の身体を形作る境界線でありますが、それでは、具体的にはどんなはたらきをしてくれているのでしょうか?
具体的にそのはたらき・役割を見てみたいと思います。
皮膚の役割
①身体を保護する
私たちの生活において、私たちの身体には、外側から様々な力が加わってきます。
例えばぶつかる、押される、擦(こす)れるといった、物理的、機械的な力です。
皮膚は、こういった力にたいして、弾力性によってしなやかに、その力を吸収していきます。
また、たとえ傷ついたとしても、自分の力で修正する力も持っています。
たとえば車など、事故をするとぺしゃんこになりますし、もちろん自力で元に戻ることなどはできません。
そういった意味では、皮膚はとても優秀な衝撃吸収装置ということが言えます。
②外界から水などの化学物質やバイ菌の侵入を防ぐ
生物の身体は、きちんと決められた成分でできていて、一定のバランスが保たれています。
逆に言えば、余計なものが入ってくるのはとても困ることになります。
また、身体に必要な物質が外に漏れ出しても困ってしまいます。
そこで、皮膚はそういったことが起きないようにバリヤーとして働いてくれています。
水分の蒸発を防いだり、バイ菌などの微生物の侵入を防ぎ、また、太陽光線なども入らないように鳴っています。
③体温の調整
私たちの身体は、普段何もしていなくても生きている限りエネルギーを生産しています。
食べものと呼吸によって、食物から吸収した成分を燃やして活動のエネルギーに変換しています。
このときに、すべてのエネルギーが完全に効率よく利用されるわけではなく、やはり余分な熱も生じるわけですが、その余分な熱の約70%は皮膚から発散されています。
また、寒いときなどは皮膚が縮こまって表面積が小さくなって、熱の放出を少なくしています。
逆に暑いときの皮膚は拡がって表面積を大きくして熱の発散を増大していきます。
さらに皮膚には汗腺がありますので、その発汗作用で体温を下げてくれます。
このように、私たちの皮膚は、身体が快適になるように体温の調整を適宜してくれています。
④皮膚呼吸として
呼吸のメインは肺ですが、皮膚も呼吸をしています。
その皮膚呼吸の量は、肺の呼吸器量の200分の1となります。
少ないと思われるかもしれませんが、でも、これがあるとないとでは身体の平衡にかなり大きな差が出ることになります。
⑤感覚器として
熱いものに触れたら熱いと感じ、つねられると痛みを感じる。そして人に押されたりすると、圧覚を得ます。
このように、皮膚は外界からの刺激を感じる感覚器としても重要な働きをもっています。
熱いとか、冷たいとか、痛いといった刺激はとても不快なものです。
しかし、この不快な感覚があるからこそ、私たちの身体は危険を察知して身を守ったり、温度にも適応しようとします。
適度で安全な状況に身を置こうとする本能は、皮膚から感じ取る感覚で成り立っています。
ちなみに、1平方センチメートルの皮膚にある感覚は以下のような分布となります。
- 痛み:100~200
- 温かさ:1~2
- 冷たさ:12~15
- 圧覚:6~28
まとめ
皮膚はいちばん外にある臓器。
さまざまな働きをして私たちの身体を守ってくれています。
皮膚を大事にしていきたいですね。