【今週のひとこと養生訓】『雉始雊(きじはじめてなく)』

【今週のひとこと養生訓】
雉始雊(きじはじめてなく)

小寒もそろそろ終わりに
新年を迎えて早2週間が経ちました。
長い連休から醒めて、ようやくエンジンがかかり始めたという方も多いのではないでしょうか。
しかし、変なエンジンがかかって世界を混乱の渦に巻き込んでいる人もいるようですが・・・。そして日本も衆院選挙に突入するとかで、本当にどんな一年になるのか、いろいろと懸念することも多くなりますね。
この頃になると、小寒も最後になりまして、一年最後の節気の大雪に向かうところとなります。
雉始雊(きじはじめてなく)
今週は、七十二候の「雉始雊(きじはじめてなく)」となります。
雉は陽の気の多い鳥で、昔から珍重されてきました。
日本の国鳥でもあります。
あのカラフルな雉を見ると、なんだか心が躍るのは私だけでしょうか。
『雉始雊』は、二十四節気の各一節をさらに3分割した七十二候の一つですが、これは、旧暦の季節の細かな移ろいを表すものになります。
『雉始雊』は、寒いながらも、雉が陽気の兆しを告げにやってくるということで、ここから少しずつ春の芽吹きを感じることになります。春の兆しを自然界が静かに見せはじめるわけです。『雉始雊』とは、“厳しい冬のなかで蓄えてきた力が動き始める”ことの象徴でもあります。実際に、いつも1日、15日に参拝している氏神様の境内でも、梅が咲いていたり、鍼灸院の前に置いてある桑の木も芽をふき出しています。
これは、私たちの身体も自然の一部ですから、当然この感覚が私たちにも感じられるはずです。
暦通りに自然はしっかり巡っています。
この暦と自然界の動向を見ていると、人間の思惑とは無関係に、自然は私たちを淡々と眺めている、そんな感じがしないでもありません。結局のところ、私たちは自然という掌の上で転がされている存在の中もしれませんよね。
春への準備をしながら待つ
この寒いなかで、身体は内側にエネルギーをじっくりとこもらせ、気血を温存してきました。それがこの頃になると真冬ではなく、季節が移ろいはじめる“ゆらぎの冬最終コーナー”になります。私たちもこの自然界のリズムに合わせて、内側の活力を外へ向かわせる準備を整えるタイミングとなります。
新しい一年が始まって二週間。
これも暦のマジックなのか、ちょうど多くの方が新年の目標を掲げてスタートし始める時期と重なります。暮らし方を見直し始める絶好の機会となります。例えば、食事・運動・睡眠などの基本的要素を振り返り、持続可能な生活リズムをつくるなど、身体の自然なリズムと自分のリズムを調和させることを意識することで、過去の自分の悪い癖を断ち切って、まだ見ぬ未来へ目を向けやすくなりますね。
これから小寒、大寒、土用と、季節は目まぐるしく変わっていきますので、体調を崩さず、気持ちよく本格的な春を迎えたいものですね。
養生のポイント
この季節は外気がまだ冷たいですが、陽の気が少しずつ強まっています。この陽の気は気血の巡り・代謝・消化力の改善と密接に関係しています。
- 軽い運動や散歩を日常に
寒さで縮こまった身体をほぐし、気の流れを促すために、散歩や軽い体操を取り入れましょう。新年の目標を立てる一環として、「歩く時間を増やす」「深呼吸を意識的に行う」など、小さな習慣化が大きな変化につながります。 - 温かい飲食を心がける
体を内側から温め、気血の巡りを良くするために、温かいスープや漢方薬、根菜類を取り入れると良いでしょう。消化器の力が高まると冬の間に溜まった疲れも解けやすくなります。飲食物だけではなく、お灸もおすすめです。ツボに関しては、一人一人異なりますので、ご来院した時に尋ねてください。
そして変化するこころも
以上見てきましたように、七十二候が伝える『雉始雊』は、ただ季節の変化を告げるだけではありません。
寒さの中にある春を感じる最初の温かい兆しは、心理的にも「変化への希望」「変化することへの受容」を呼び起こします。身体だけでなく、こころの持ち方を整えることが重要です。
例えば…
- 日々の出来事を振り返る時間をつくる
- 目標に向けた進み具合を無理なく確認する
- 休息と活動のバランスを見直す
このようなプロセスは、単なる「健康習慣の羅列」ではなく、「自分という存在全体を育む」行為として捉えることができます。東洋医学が大切にする「バランス」とは、外側の季節変化と自分の内側の準備とを一致させることでもあります。
まとめ
雉の鳴き声が聞こえるようになる頃、外はまだ寒いけれど、自然も身体も、そしてこころもまた少しずつ動き出しています。
この「変わるタイミング」を見逃さず、自分の身体と向き合う時間を持つことこそが、雉伝える養生とも言えるでしょう。
【おすすめの漢方薬】
この季節にオススメの漢方薬・漢方レメディ
先週に引き続き、寒さを防御する漢方薬がオススメになります。
また、そろそろ花粉も飛び始めますので、花粉対策の漢方薬も少しずつ使っていくのも良いでしょう。ただし、花粉症はしっかり養生をすれば治るものでありますから、今慌ててやるのではなく、一年を通して鍼を受けたり、漢方薬を飲むなどして、体質を改善しておくことがより良いかなと思います。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。







