【今週のひとこと養生訓】自分の時間、持てていますか?——夏は「心」を整える季節

この記事の要点
イントロ: 夏のイライラは、心が疲れているサインかもしれません
暑さが増してくると、なんとなく気持ちが落ち着かない、周囲の人のイライラが気になる、自分まで急かされているように感じることがあります。
東洋医学では、夏は「心」の働きと関わりが深い季節とされています。
東洋医学でいう「心」は、単に心臓だけを指すのではなく、精神活動や感情の安定とも関係しています。
気温が上がり、陽気が盛んになる夏は、体だけでなく心も外へ外へと動きやすくなります。
そのため、
通常よりも気持ちが高ぶったり、
神経が過敏になりやすくなっていますので、
ちょっとしたことでイライラしやすくなることにも。
そんな季節だからこそ大切にしたいのが、「自分の時間」ということになります。
自分の時間、持てていますか?
自分の時間、持てていますか?
周囲が慌ただしくなったり、
誰かのイライラに触れたりすると、
自分まで気が急いてしまうことがありますよね。
特に夏は、東洋医学で「心」の季節とされ、気温の上昇とともに精神的にも高ぶりやすい時期です。
知らず知らずのうちに周りの空気に影響されたり、
SNSに気持ちを揺さぶられたり、
あっという間に自分のペースを見失ってしまうこともあります。
そして、本来自分のものであるべき自分の心のスペースを、他の人に奪われてしまいます。
だからこそ自分の時間を持つことが大切になります。
夏は「心」の季節とは
東洋医学では、夏は五臓のうち「心」と関係が深い季節と考えられています。
「心」は血の巡りを主る、いわゆる臓器としての心臓の機能だけでなく、精神や意識の働きとも関係しています。
そのため、心の働きが乱れると、気持ちが落ち着かない、眠りが浅い、焦りやすい、イライラしやすいといった状態が現れやすくなります。
夏は自然界の陽気がもっとも盛んになる季節です。
草木が伸び、日差しが強くなり、人の活動も外へ向かいやすくなります。
これは自然な流れですが、陽気が強くなりすぎると、心もまた過剰に高ぶりやすくなります。
心の働きが乱れると以下のようなことが起きやすくなります。
そしてこれらが始まると、さらなる負のループに巻き込まれやすくもなります。
臨床で見ていても、夏の不調は「暑さ」だけでなく、睡眠不足、冷房による冷え、仕事や家庭での緊張、SNSなどの情報疲れが重なって現れることが少なくありません。
周囲の空気に引っ張られすぎない
人は思っている以上に、周囲の空気に影響を受けています。
逆に言えば、自分自身も周りに影響を与えている存在なのですが、まずは自分を守ることから考えましょう。
忙しそうな人がそばにいると、自分も急がなければならないように感じたり、
イライラしている人がいると、自分の心までざわついたりします。
特に夏は気温の上昇とともに、神経が高ぶりやすい季節です。
そのため、周囲の感情に巻き込まれすぎると、自分のリズムを崩してしまいます。
大切なのは、
無理に周りに合わせすぎることではなく、
自分の内側に戻る時間を持つことです。
これらはどれも簡単なことですが、ほんの短い時間でも、自分の呼吸や感覚に戻るきっかけになります。心を落ち着けるために必要なのは、大きな変化ではありません。日常の中に、自分へ戻る小さな入口を持っておくことです。
自分の時間は、わがままではなく養生
「自分の時間を持つ」と聞くと、
ぜいたくなことのように感じる方もいるかもしれません。
そして「自分の時間を持つ」なんて宣言したら、周りの人は眉をひそめるなんていうことがまだまだあるかもしれません。
しかし、
東洋医学的に見れば、自分の時間は心身を整えるための大切な養生なのです。
ずっと人に合わせ続けたり、予定に追われ続けたりしていると、心は休まる暇がありません。心が休まらないまま夏の暑さにさらされると、イライラ、焦り、不眠、動悸、疲労感などにつながりやすくなります。
繰り返します・・・
自分の時間とは、ぜいたくな時間ではありません。
自分をいたわる時間、自分らしくある時間、自分に戻る時間なのです。
大切なのは、「何もしない時間」を自分に許すことです。
特に現代では、SNSから少し離れることも大切な養生になります。SNSを見すぎると、自分の時間を削ります。発信し続けることに追われると、心の余白を削ります。誰かの言葉や感情を追いかけているうちに、自分の軸がどこかへ飛んでいってしまうこともあります。だからこそ、情報から少し離れて、「自分の呼吸」「自分の感覚」「自分の静けさ」に戻る時間が必要です。
SNSを見過ぎると、自分の時間を削ります。
SNSの発信をし過ぎると、自分時間の余白を削ります。
SNSを追っていると、他人に煽られて自分がどこかへ飛んでいってしまいます。
SNSを見ていると、カリカリカリカリ・・・なんか変な音が頭の中で鳴っていませんか?
だからこそ、情報から少し離れて、自分の呼吸、自分の感覚、自分の静けさに戻る時間が必要です。
とにかく、自分の時間を自分の軸に戻すことです。
夏の心を整える小さな習慣
心を整えるというと難しく聞こえますが、
実際には、
- 「急ぎすぎない」:余裕のある行動
- 「詰め込みすぎない」:スケジュールに余裕を持たせる
- 「自分に戻る時間を持つ」:自分を世間から切り離しておく
この辺りを片隅に置いておくと、過ごしやすくなるのではないでしょうか。
まとめ|夏こそ、自分に戻る時間を
夏は陽気が盛んになり、体も心も外へ向かいやすい季節です。
活動的になる一方で、気持ちが昂り、イライラや焦りが出やすくなる時期でもあります。
他の人からのトラブルに巻き込まれることもあります。
だからこそ、
夏の養生では、暑さ対策はもちろんのこと、心を静める時間を持つことが大切です。
周囲の慌ただしさやイライラに巻き込まれそうになったときは、一度立ち止まって、自分の呼吸に戻ってみましょう。
- 少し歩く
- お茶を飲む
- 空を見る
- 動物と遊ぶ
- 体操する
- 早めに休む
そんな小さな時間が、夏の心身を整えてくれます。
夏は陽気が盛んになり、体も心も外へ向かいやすい季節です。活動的になる一方で、気持ちが高ぶり、イライラや焦りが出やすくなる時期でもあります。だからこそ夏の養生では、暑さ対策だけでなく、心を静める時間を持つことが大切です。周囲の慌ただしさやイライラに巻き込まれそうになったときは、一度立ち止まって、自分の呼吸に戻ってみましょう。
当院へいらっしゃる方の中には、ストレスフルになって自分を見失っていつ方が少なくありません。
東洋医学では、ストレスは内傷と言って、文字通り“内なる傷”となります。
そこを救っていきたいし、そうならないように早めに気づいてほしいと常々思っておりますので、ついつい横道にそれそうなくらいでした。
伝えたいことをまとめると、以下のようになります。
自分の時間は、後回しにするものではなく、元気に過ごすための大切な養生です。
心身のメンテナンス
日々の養生
想生・想身・想心
私たちの体と心はいちばんの宝ものです。
長い人生の旅路をともにする心身を、整え過ごすために、体と心にやさしい鍼灸をお奨めします。

FAQ よくある質問と答え
東洋医学では、なぜ夏は「心」の季節とされるのですか?
夏にイライラしやすくなるのはなぜですか?
自分の時間を持つことは、なぜ養生になるのですか?
忙しくて自分の時間が取れないときはどうすればよいですか?
夏の心を整えるためにおすすめの習慣はありますか?
周囲のイライラに影響されないようにするには?
夏になると気持ちが落ち着かないのは東洋医学ではどう考えますか?
For English Readers
In East Asian medicine, summer is considered the season of the “Heart.” This does not refer only to the physical heart, but also to emotional balance, mental clarity, and the state of the spirit. As the temperature rises and yang energy becomes stronger, the mind can also become more active, restless, or easily irritated.
During hot and humid days, many people feel that they have less patience than usual. They may become more sensitive to other people’s moods, feel rushed by the atmosphere around them, or become irritated by small things. From an East Asian medical perspective, this can be understood as the mind and nervous system becoming overstimulated by the heat and the active energy of summer.
This is why having personal time is important during the summer. Taking a quiet walk, enjoying tea slowly, sitting in a park, breathing deeply, or simply doing nothing for a few minutes can help the mind return to a calmer state. These small pauses are not a luxury; they are a form of daily self-care.
Summer wellness is not only about preventing heatstroke or cooling the body. It is also about protecting the mind from becoming overheated, rushed, or scattered. When the world around you feels busy or irritable, try to create a small space where you can return to yourself.
In traditional East Asian health cultivation, caring for the mind is just as important as caring for the body. A calm moment, a cup of tea, a short walk, or a few quiet breaths may seem simple, but these small practices can help restore balance. In summer, protecting your inner space is one of the most practical ways to support both body and spirit.
【おすすめの漢方薬】
この季節におすすめの漢方薬・漢方レメディ
自分の時間に戻るためには、緊張をほぐしたり、頭の疲れをとっておくことが大切です。
そもそもこの現代社会は、さまざまなストレスが錯綜しています。
それらを無くすことはできませんが、しかし、自分の心身の調子を上げておいて、ストレス耐性を育てていくことは可能です。
ひとことで“ストレス”といっても、さまざまなものがあります。
心の機微は、微妙なニュアンスを伴います。
当院では、そういったところを紐解きながら、皆様にとっての最適解をご提案してまいります。
とくにストレスに対する漢方薬は慎重にする必要がございますので、自己判断ではなく、当院や、漢方に長けた漢方専門薬局などにご相談ください。
ご予算なども含めてご相談に乗りますので、お気軽にお尋ねください。
漢方薬は、個々の体質に合わせた処方が大事になります。
当院をはじめ、漢方薬に詳しい漢方薬重視の薬局・薬店・ドラッグストアでのご相談をお勧めいたします。また、漢方薬は、変化する体質や時期によって変えていくこともありますので、定期的な受診をお勧めいたします。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。






