【今週のひとこと養生訓】「冬病夏治」2023年6月水無月・第4週

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【今週のひとこと養生訓】
冬病夏治!今こそ大事!!

循環する季節と身体

 中国の養生用語に、「冬病夏治」というのがあります。

 これは意訳すると、「冬の病気(冷え症、風邪、霜焼けなど)は、夏の間に治療しましょう」という意味になります。

 冬の不調なのに、それを夏に治すというのはちょっとおかしいのでは・・・?と思うかもしれません。

 しかし、これはとても理にかなったことなのです。

 この言葉の真意の一つに、まず、季節というのはぶつ切りになっているのではなく、循環しているという自然観があります。冬がいきなり来るのではなく、季節は少しずつ冬に向かっていくということ、そしてそれは夏の延長であるということ、そういった繋ぎ目のないのが四季の流れであるという見方が根底にあります。

 そして次に、私たちの体は、季節に沿って生かされ育まれている存在であるということです。地球は太陽の周りを一年かけて公転していますが、それによって生じる四季というものの中で、私たちは生きていますから、当然その影響を受けています。なので、私たちの体は四季の流れに逆らわないこと、そして来るべき次の季節に備えていくことがその養生のコツということになります。

 循環している季節。そして、体、それに伴う心、こういったものが全て一つになることが養生のコツともいえるわけです。 

夏なのに冬!?

 そこで翻って「冬病夏治」です。

 冬になると、冷え症を訴える方が多くありますが、これは冬にいきなり起こるのではなく、実は、夏に犯した不養生が、そのまま引き継がれた体が悲鳴を上げている様子なのです。

 夏は暑いですので、当然身体を冷やさなくてはいけません。
 そのため、アイスやかき氷などさまざまな身体を冷やすものを摂るのですが、これが日常茶飯事になると、もう身体は冷え切ってしまいます。加えてオフィスなどで一日中冷房の中で過ごすことも少なくありませんので、身体の内も外も冷え冷えになっています。

 もちろん、熱中症や夏バテの解消のために適度に身体を冷やすことも大切ですが、行き過ぎてしまうところに問題があります。

 最近の夏は以上に暑く、そして長いです。
 そのため、冷たいものに触れている時間も長くなりますから、それによるダメージも大きくなります。

 今冷やしすぎた身体がそのまま次の季節に行くわけですから、当然次の季節も調子を崩すわけです。

 このような理由から、「冬病夏治」と言われるわけです。

 冷え症がある方や、風邪をひきやすい方は、なるべく身体を冷やしすぎないように気をつけてまいりましょう。アイスやかき氷などは、ここぞというときに限り、あとはトマトやキュウリ、そしてスイカなど、夏野菜や夏の果物から涼を取りましょう。

 この時期をしっかり養生すれば、次の冬はきっと安泰になりますので、楽しみにしていきましょう。

【おすすめの漢方薬】
夏にオススメの漢方薬・漢方レメディ

 年々暑さが厳しくなっているのは事実として、それに加えて、自分自身の身体が熱さへの対応力を失ってきていることもあります。また、外で作業をすることが多いとか、寝不足が続くとか、そういった生活習慣の乱れが夏バテや熱中症につながることがあります。
 そこで、そういった社会環境・生活環境を補うための漢方薬もあります。
 熱中症対策、夏バテ対策にもなりますので、夏の過ごし方が気になっているかたはお気軽にご相談ください。

  • 麦味参顆粒
  • 冠元顆粒
  • 酸棗仁湯
  • 西洋人参
  • 香ロゼア
    など

【著書のご紹介】
『季節の不調が必ずラクになる本』 瀬戸佳子著

熱中症対策・夏バテ対策の養生に

 各季節に起きがちな身体の不調。

 この夏の季節は熱中症や夏バテですね。
 その改善策をまとめたのが、『季節の不調が必ずラクになる本』です。
 夏におきる熱中症についてもまとめてありますので、よろしければお手に取ってご覧ください。

この記事を書いた人

鍼灸師・登録販売者・国際中医師

瀬戸郁保

古医書医学の大家であった二階堂宜教先生に師事し、東洋医学・中医学の世界を追求している鍼灸師です。唯一の趣味は、写真を撮ること。カメラはFOVEON、LUMIXを使用しています。

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瀬戸郁保 Ikuyasu Seto

源保堂鍼灸院の院長をしています。

“人生を楽しく過ごすこと” 、これが東洋医学の根幹にあります。
つらい症状で人生までもが暗くならないよう、豊かな人生のためのご相談にのれたらと願っています。

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