【今週のひとこと養生訓】朝ごはん食べてる!?|五月病を防ぐ朝の養生|東洋医学で整える自律神経と生活リズム

この記事の要点
イントロ: 五月病は朝食で解消!
東洋医学では、五月病のような不調は「気の巡りの停滞」や「生活リズムの乱れ」と関係すると考え、そこで今週特に強調したいのが、「朝食を摂ること」です。余裕があれば朝体を動かすのもプラスするといいですが、それよりも、まずは朝の食事を見直しましょう。
五月病予備軍には、連休が終わった頃から次のような症状が出ます。
- 朝がつらい
- やる気が出ない
- 頭がぼーっとする
- なんとなく気分が重い
そんな不調を感じる方が増えてきます。
鍼灸臨床をしていると、この時期は特に、
「肉体よりも先に“気”が疲れている」
という方を多く見かけます。
春から初夏へ向かうこの季節は、気温差や環境変化も大きく、自律神経が乱れやすい時期です。
だからこそ大切なのが、「朝の過ごし方」。
特に、朝食を整えることです。
気血の巡りが乱れると、自律神経も不安定になりやすくなります。
それ故に、東洋医学では、朝にしっかり体を目覚めさせ、気血を巡らせることが、その日の好不調の鍵となるのですが、この鍵を握るのが「朝食」の養生ということになります。
なぜ五月病は春から初夏に増えるのか
今年の春は、皆様はどのような春を迎えましたか?
新入学、転職、お引っ越し、異動など、新しい環境に移った方も多いのではないでしょうか?
春は環境変化が多く、そして気温差も激しい季節です。
今年のゴールデンウィークは天気が悪く寒い日もありましたので、いつもより体調を崩しやすい状況がありました。
東洋医学では、この時期は「気」が上へ発散しやすく、それに付いていけないと自律神経が不安定になりやすいと考えます。
さらに加えて、連休で生活リズムが崩れますよね。
明日も休みだから、今日は遅くまで起きていようかとか、そんなことをついついしてしまいますよね。
これはこれで連休の醍醐味ではありませすが、でも、それを続けていると、
- 朝起きられない
- 食欲が落ちる
- 頭が働かない
といった不調が起こりやすくなります。
東洋医学で考える「五月病」とは
東洋医学はもちろん、西洋医学でも、正式に「五月病」という病名はありません。
いつの頃からか、連休の後に起きる不調をそう呼ぶようになりました。
この五月病というものを、東洋医学で分析してみましょう。
少し専門的な用語となりますが、五月病は以下のようなことが起きています。
- 肝気鬱滞
- 脾胃虚弱
- 気虚
単独でこれらのことが起きているというよりは、いくつかが重なっていることが非常に多くあります。
このままでわからないので、説明をつけると以下のようになります。
- 肝気鬱滞: 気が充満し過ぎて停滞してしまった状態
- 脾胃虚弱: 胃腸が疲労して、働きが弱くなった状態
- 気虚: 体と心の動力である、気というエネルギーの不足
特に今年のように寒暖差が大きい春は、体が季節についていけず、気血の巡りが乱れやすくなります。そして、そうこうしているうちに、いつもと違う飲食が重なって、胃腸にも疲労が広がりなんだか胃もたれしやすかったり。
鍼灸臨床で増える“朝がつらい人”
この時期、
鍼灸院でも、
「朝から疲れている」
という相談が増えます。
何か自分の体に異変が起きているのでは?と思う方もいるようです。
しかし実際には、
- 夜更かし
- スマホ疲労
- 食生活の乱れ
- 休日の生活リズム崩れ
など、自分で引き起こしていることがその原因となっていることが多く、それがために、朝になっても体が活動モードに切り替わらなくなってしまったケースなのです。
耳の痛い話は置いておきますが、
つまり、
“朝のスイッチ”が入っていない状態なのであります。
自律神経を整える「朝のスイッチ」が大切
東洋医学では、朝は「陽気」が動き始める時間です。
「陽気」とは、シンプルに言えば、活動エネルギーです。
私たちの体は、寝ている時は、車で言えばアイドリング状態で最小限の燃費で維持しています。起きると、エンジンを動かし出して徐々に体温を上げていきます。
この体温の上昇は「陽気」のなせる技なのです。
よって、この活動が始まる朝の時間帯に、しっかりと体を起こし、体温を上げていく体制を整えてあげることが大事になります。
- 気血が巡りだす
- 胃腸も働きだす
- 自律神経が夜から昼へと切り替わる
という流れが生まれます。
逆に朝をぼんやり過ごしてしまい、無為に過ごしてしまうと、1日中だるさを引きずりやすくなります。
朝ごはんは“気を動かす養生スイッチ”
東洋医学では、食べ物から得られるエネルギーを「穀気(こくき)」と呼びます。
この穀気は、朝から補充し巡らせることがとても大事です。
朝に胃腸を動かし、この穀気をしっかり取り入れることで、「今日を動く力」が生まれると考えます。
そうなんです、食は単なる栄養補給ではありません。
もっと大切な意味があるのです。
それは、
東洋医学では、朝に胃腸を動かすことで、
「今日一日の体を動かす気」が生まれるという考えです。
- ごはん
- 味噌汁もしくは温かいスープ
- 野菜
- 卵、お魚などのタンパク質も適宜
以上のものを全て用意できなくても、ごはんと味噌汁だけでも用意してみてください。
もちろん、前夜の残り物などで十分です。
まとめ|朝ご飯で整える
先週は、体調を崩されている方ほど、朝食を食べていませんでした。
これは、臨床をしている私たちの実感です。
「朝は食べていますか?」と問診すると、
「はい、ちゃんと食べてます」というお返事があります。
しかし、よくよく身体を診ていくと、朝食を食べていないことがわかってきます。
そして、「何を食べていますか?」と尋ねると、
「コーヒーとクッキーです」
というお答えが・・・。
それは朝食ではないです・・・。
朝から元気が出ないのは当然です。
そして、それで崩れてしまった生活リズムを元通りにすることはできません。
出来ないならば、出来そうなことから。
パックのご飯でもいいです。
昔はパックごはんというと、いかにも非常食という感じのものでしたが、今は非常食なんてとんでもございません、ちゃんと美味しく食べらるものが増えています。
レトルトの味噌汁でもいいです。
フリーズドライの味噌もいいですが、出来たらレトルトタイプのものを選んでみてください。おかずを付けることができなければ、具がたくさん入っている製品を選びましょう。
そして、缶詰でも、ゆで卵でも、何かおかずも付けてみてください。
“朝ごはんを食べる”
そんな簡単なことで朝が楽になり、そこから一日充実して生活できます。
五月病なんて、もう私の辞書からは消してしまいましょう。
簡単な養生をはじめてみてはいかがでしょうか?
For English Readers
Oriental medicine views the morning as the moment when the body’s vital energy begins to rise and circulate.
Especially during the transition from spring to early summer, restoring a healthy morning rhythm is essential for emotional balance, digestion, and resilience.
Seasonal self-care begins not with intensity, but with gently awakening the body each morning.
FAQ よくある質問と答え
東洋医学では五月病をどう考えますか?
朝がつらいのは自律神経と関係ありますか?
五月病予防におすすめの養生は?
朝ごはんは何を食べれば良いですか?
五月病の改善のために鍼灸院に来る方もいますか?
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ここまで書いてきましたように、五月病にはいくつかの特徴的な症状があります。
それぞれの症状に合わせて、対処療法的に使った方がいい場合と、根本的な解決になるような、全体を調整するものを使った方がいい場合とがあります。
場合によっては、例えば不眠症などが続いている場合は、睡眠に特化した漢方薬をメインで使いながら、全体の帰結を補充したり、巡りを良くするような、全身の調整をするようなものを併用することで効果を出しやすくなることがあります。
どういったところをターゲットにして漢方薬を組み立てるかは、ご予算なども含めてご相談に乗りますので、お気軽にお尋ねください。
漢方薬は、個々の体質に合わせた処方が大事になります。
当院をはじめ、漢方薬に詳しい漢方薬重視の薬局・薬店・ドラッグストアでのご相談をお勧めいたします。また、漢方薬は、変化する体質や時期によって変えていくこともありますので、定期的な受診をお勧めいたします。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。





