【今週のひとこと養生訓】『カゼも花粉も胃腸から!?』
【今週のひとこと養生訓】
カゼも花粉も胃腸から!?
土用も後半へ
年が明けてあっという間に1月も最終週へ。
“一月はいる、二月は逃げる、3月は去る”とはよくいったもので、この3ヶ月はよくわからないまま過ぎていきますね。特に去年は秋が無かったに等しいので、季節感が狂っているのも起因しているかもしれません。
1月も後半になると、冬の土用に入ります。
このブログでもくどくど何度も話しているので耳にタコの方も多いかと思いますが、しかし土用はとても重要なので、何度も何度も話さないといけない養生のポイントになります。
そして、この土用も後半に入りました。
つまり、冬の完成をして、次の春への準備少しずつ始まっている頃になります。今年は季節の巡りが少し早めに来ているようなので、今から気持ちを春へシフトしていくことが大事になります。
冬は寒さに耐えてじっとしている時季になります。
そこから今度は、立春で春を迎えて、ようやく目を覚ます季節に入ってくるのです。
つまり、この立春はスタートなのです。
もちろん、まだ春が始まったばかりなので、それほど大きな動きは感じられませんし、天気予報では相変わらず”真冬”とか、”この冬一番の”という”冬”のフレーズが使われるので、実感が湧かないかもしれません。
でも・・・
何度も言いますが・・・
もう、ここから春なのです!
新しいスタートになります。
今年の立春は、スタートで雪が降り、東京地方は雷もなりました。雪の元は雨ですが、雨は天地の気が交流している証拠であり、雷は私たちの眠っている体に喝を入れるもの。
ということを考えてみると、今年の立春はとてもスムースに春を迎えたのではないか?とも感じます。
確かにまだ寒いです。
でも、その寒さの中には春の気配があります。
そのわずかに芽を出した春の息吹を感じながら、新しいスタートを切ってみてはいかがでしょうか?1月1日に出遅れた方も、今からスタートを切ってください。新しい手帳を買ってみるとか、新しい靴を買ってみるとか、そんなことからでも良いので、新しい気持ちでこの立春を過ごしていただけたらと思います。
今一度胃腸を見直しましょう
土用は胃腸の時期。
胃腸は飲食物を受け入れる最初の入り口であり、主に消化や吸収を担当しています。
東洋医学では、胃腸のことを「脾胃(ひい)」と呼びます。
“脾胃”のうち“胃”は内臓の中心にある消化の担当。
もう一つの“脾”の方は、吸収や、吸収したものを変化させて運搬することもしています。
“胃”と言わず、“脾”とも言わず、“脾胃”と二つで一つとして呼ぶところに意味があります。この“胃”と“脾”が共同して一つの消化、吸収、そして運搬という作用を生み出しているということになります。
土用は、この脾胃が活発になる時期。
逆に言えば、この土用の時期は脾胃を労る期間ということになります。
これと逆行のことをする、つまり、過食、アルコールなどを過度に飲んだりといったことをすると、春からの不調を引き起こすことになります。
花粉症やカゼも
日々の臨床で患者様の脈を見ていると、季節の移ろいを感じます。
たとえばこの時期は、花粉が飛び始めるのもよくわかります。症状としてはまだ浅くても、脈を見ると花粉が入っている特徴的な脈を示すことがあり、そういった人が増えてくると、いよいよ花粉が飛んできたなということがわかるわけです。
それで言うと、今年は1月の2週目くらいから花粉は飛んでいるようです。ですので、花粉症がある方はしっかりと養生していかなくてはいけません。
では、何をするのかと言うと、ここで土用のお話になります。
つまり、“胃腸を大切にする”ということに尽きます。
この時期胃腸に優しい生活をしていないと、風邪や花粉症を引き起こすことになります。
多くの方は、花粉症の原因は花粉だと思われていますが、東洋医学的に考えると、花粉はあくまできっかけにしか過ぎません。常日頃の養生はもちろん大切ですが、この時期の不調としてもう少し限局的に言えば、それは、胃腸を乱暴に扱ったことが根本原因ということになります。
この時期は、カゼと花粉症は表裏一体の関係にあると思います。
どういうことかと言いますと、カゼにしても花粉症にしても、どちらも免疫力のバランスが関係していますので、どちらもお互いがお互いを誘発することがあるということです。つまり、花粉症の人はカゼを引きやすいですし、カゼをしっかり治していないと花粉症に移行しやすいということです。
こういった花粉症からカゼ、カゼから花粉症という負の連鎖を断ち切るためには、やはりこの土用の時期の養生が大切になります。今一度、この土用の間に胃腸の見直しをしておきたいところですね。受験シーズンがはじまり、インフルエンザやカゼにかからないように注意が必要ですが、これも胃腸と関わってきますので、胃腸を大切にしていきましょう。
【おすすめの漢方薬】
土用にオススメの漢方薬・漢方レメディ
土用は胃腸の時期。
カゼにしても花粉症にしても、とにかく胃腸からケアしていかなくてはいけません。そこで、胃腸を労わるような漢方薬がオススメになります。
受験生にとっても、胃腸が元気であることが試験当日のパフォーマンスを発揮することにつながります。
胃腸に良い漢方薬や漢方レメディについては、ご来院の際にご相談ください。
ご来院されたことがない方は、ご来院をご検討いただけたらと思います。
【著書のご紹介】
おすすめの本
季節の不調がラク〜になる本
一年を通して、それぞれに苦手な季節があるかと思います。
この本では、「花粉症」「夏バテ」「カゼ」といったそういった季節にまつわる不調の対策に絞った内容となっています。
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胃腸が必ずよみがえる
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胃腸は健康の基本です。「疲れやすい」「元気が出ない」というのは胃腸が原因かもしれません。胃腸を丈夫にし、胃腸を元気にするスープ養生をご紹介します。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。
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