夜行バス
夜行バスの想い出
毎月思う夜行バスのこと
毎月往診に行っている四国への行き来は、夜行バスを使うことが多い。
新宿-高松間もしくは、渋谷-神戸(神戸からは高松行きのバスに乗り換え)間に乗ることが多い。今回の出張も往復夜行バスを利用し、今朝朝一番に帰ってきた。
各席独立しており、後ろに倒すことが出来るリクライニングシートだが、そうはいってもバスはバス。やはり狭い。身体が小さい自分にとってはまだいいが、大きい人ではリラックスするのが難しいのではないだろうか。今回のバスは暖房が効きすぎていて、少し寝苦しかった。バスの状況を分かっているとはいえ、もう少し快適にならないものかと毎回思うもの。
しかし、ふと10数年前、大学生だった自分がインドやネパールなどを旅していたときのことを思い出した・・・。
インドでよく乗った夜行バス
大学生の頃、長期の休みがやってくるとインドなどを旅した。
インドを旅行したとき、長距離の移動は鉄道かバスに頼った。鉄道も日本の電車に比べたらかなり揺れるが、寝台は横になれるし、シートもゆったりとしていた。
しかしバスはそうはいかない・・・。バスはたいていTATAというインドの自動車会社製のものが多く、加速は悪く、車体の揺れもひどい。そして冷房はもちろん入っていないし、バスは何年も酷使されたものばかりで、シートも中のものが飛び出しているものが多い。もともとシートのスポンジも性能がよくないので、さらに座り心地は悪くなっている。そのバスに加えて、道路事情がさらに悪い。アスファルトで舗装されているところはまだよく、砂利道やえぐれて大きな穴になっているところも多かった。
しかし、一度乗ればとりあえず目的地までは着くことが出来ると、長距離のバスを利用したことがしばしばあった。中でもネパールのポカラから国境沿いのバイラワ行き、またバイラワからガンジスのほとりのベナレス行き、そしてハイダラバードからゴア行きのバスはなどは特に思い出深いバスだった。ポカラからバイラワ行きのバスは舗装されていない細い山道を下っていくのだが、途中黒焦げになったバスが放置されているのを眼にしたこともあった。ハイダラバードからゴア行きのバスは夜行を使ったのだが、とにかくジェットコースターのような勢いで飛び跳ねたりして、とても寝ていられるものではなかった。ゴアでバスを降りたとき、乗客はまるで戦友のように握手しながら無事を確かめ合ったりした。
贅沢は言うまい夜行バス
そんなインドのバスに比べたら、日本の夜行バスはトイレも完備しており、とても快適でとても楽チンなのだが、どうもそれに馴れてしまったのか、辛いところばかりを感じるようになってしまった。
大学時代のようにもう体が若くないということもあるかもしれない。しかしそれだけではなく、自分の中の気持ちの問題もあるだろう。
インドのバスに乗っているとき、全ての場面を一つ一つ記憶にとどめようと、好奇心の眼を持ってバスからの風景を追っていた。今でもまぶたを閉じると、あの時見た風景が目の前に一杯広がっていくのだった・・・。

源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。
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