〖今週のひとこと養生訓〗秋土用に入る!!|黄色い旬の食材で、冬を迎える身体を整える

この記事の要点
イントロ|秋も、そろそろ終盤です
10月20日から、秋の土用に入ります。土用というと、どうしても夏の「土用の丑の日」を思い浮かべます。でも土用は夏だけではありません。春から夏、夏から秋、秋から冬、冬から春。その季節と季節のあいだに、それぞれ土用があります。秋の土用が終われば、もう立冬です。そう考えると、ここは秋を楽しむ最後の時間でありながら、冬へ身体を渡していく時間でもあります。今年は暑さが長く、秋らしい秋が少し短かったようにも感じます。だからこそ、この18日間で一度、食べ方や身体の調子を見直しておきたいと思います。
今週のひとこと養生訓
土用は「季節のつなぎ目」
五行では、春を木、夏を火、秋を金、冬を水に配します。では「土」はどこに入るのか。土は、一つの季節だけに割り当てるのではなく、それぞれの季節の終わりに置かれました。それが土用です。季節が変わるときには、気温も湿度も日の長さも変わります。当然、身体もその変化についていかなければなりません。だから土用を「調整期間」と考えると分かりやすい。何か特別なことを始めるというより、今までの季節の疲れを片づけて、次へ渡す。秋土用なら、秋から冬へ。その途中にいるということです。
秋の土用は、乾燥がもう一段進む頃
秋の入口では、まだ暑さが残っていました。ところが秋土用になる頃には、朝晩の空気にもかなり冷たさが混じってきます。湿度も下がり、喉や鼻、肌の乾燥をはっきり感じる人も増えてきます。先週までの記事で「秋は肺の季節」と書いてきましたが、この頃になると、その意味も身体で分かりやすくなります。鼻、喉、皮膚。外の空気と触れるところが少しずつ変わってくる。秋土用は、単に「冬が近い」というだけでなく、身体の表面にも冬への準備が現れてくる頃です。
五行では「土」の色は黄色
陰陽五行では、土に配される色は「黄」です。ですから昔から、土用の時期に黄色いものを意識する考え方があります。ただ、ここは少し慎重に見たいところです。「黄色なら何でも身体によい」と考えてしまうと、五行が単なる色分けになってしまいます。色だけを見て食べるのではなく、その季節に何が実っているのか、自分の身体がどうなのか。そこまで見るのが養生です。
かぼちゃ、柿――ちょうど今、おいしい黄色
秋の土用に食卓へ取り入れやすいものとして、まず思い浮かぶのがかぼちゃや柿です。ちょうど旬を迎え、スーパーでもよく見かけます。かぼちゃはβ-カロテンを多く含み、体内で必要に応じてビタミンAへ変換されます。ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きに関わります。だからといって、「黄色=粘膜を強くする」と一直線に結びつけるのではなく、五行では黄を土に配し、現代栄養学から見ても、この時季のかぼちゃには身体に役立つ栄養素がある。 その二つを別々に眺めておくほうがいいでしょう。
柿も、この頃ならではの食べ物です。甘さが増し、季節そのものを食べているような果物です。ただし、冷えやすい人や胃腸が弱い人は、何個も続けて食べればいいというものではありません。旬だからこそ、少し味わう。そのくらいで十分です。
「土用だから食べる」より、「旬だから食べる」
私は、ここを大事にしたいです。「秋土用だから黄色いものを食べなくちゃ」となると、また一つ健康法が増えてしまいます。それでは養生が窮屈です。かぼちゃがおいしい。柿がおいしい。ちょうど今、店頭に並んでいる。まずそこからでいい。その季節にできたものを食べると、結果としてその時季の身体に合いやすいことがあります。養生は、知識から食卓へ無理やり押し込むものではなく、食卓から季節を知ることでもあります。
胃腸も、そろそろ冬支度
五行の「土」は、身体では脾胃と結びつきます。秋土用は、夏の暑さから続いてきた胃腸の疲れを一度見直す時期でもあります。冷たいものばかりだった人、食事時間が乱れていた人、暑さで食欲が落ちていた人。そのまま冬へ入るより、温かい汁物や煮物が自然においしく感じられるこの時期に、少し食卓を戻していく。かぼちゃも、煮物やスープにすれば取り入れやすい。秋土用の食養生は、派手なものではなく、こういうところにあると思います。
冬に入る前に、身体を一度見ておく
秋土用が明ければ立冬です。だからこの時期は、「冬になってから冷え対策を始めよう」では少し遅い。朝起きたときの喉はどうか。肌は乾いていないか。食欲はあるか。便通はどうか。朝晩の冷えを強く感じるようになっていないか。身体はもう冬へ向かっています。暦より少し早く、その変化を拾っておく。これまで何度も書いてきたことですが、養生とは不調になってから何かを足すだけではありません。次の季節が来る前に、今の身体を一度見ておくことでもあります。
まとめ|秋を終わらせて、冬へ渡す
秋土用は、秋と冬のあいだです。ここで急に冬らしいことをする必要はありません。でも、夏から続いてきた身体を一度ここで整理しておく。温かいものが欲しくなったら、それを食べる。旬のかぼちゃや柿を味わう。喉や肌の乾燥に気づいたら、少し手当てする。身体が冷えてきたら、服や寝具を変える。土用は、何か特別な健康法を実践する18日間ではありません。次の季節へ渡る前に、自分の身体をいったん見直す時間。 そのくらいに考えると、ちょうどいいと思います。
10月20日から秋土用。旬のかぼちゃや柿を食卓へ取り入れながら、喉、肌、胃腸、冷えを少し見直してみる。冬になる前の18日間、身体もゆっくり冬支度を始めましょう。
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FAQ よくある質問とその答え
土用は夏だけではないのですか?
秋土用には黄色いものを食べるとよいのですか?
かぼちゃは喉や粘膜によいのですか?
柿はたくさん食べても大丈夫ですか?
秋土用に合う漢方薬はありますか?
喉や肌の乾燥が強い場合は、食事だけで様子を見てもよいですか?
For English Readers
Autumn Doyō: Preparing the Body for Winter
In the traditional Japanese calendar, doyō is not limited to summer.
It appears four times a year, during the transitional period before each new season. In 2026, the autumn doyō runs from October 20 through November 6, followed by the beginning of winter on November 7. note(ノート)
In the Five Phase system of East Asian medicine, the phase Earth is associated with the color yellow. This is one reason yellow and orange seasonal foods are often mentioned during doyō.
But this should not be reduced to “yellow food is automatically healthy.”
Pumpkin and persimmon are simply good examples of foods that naturally belong to this time of year. Pumpkin also contains beta-carotene, which the body can convert into vitamin A, a nutrient involved in maintaining normal skin and mucous membranes.
The more important idea is seasonal transition.
Autumn is ending. The air is becoming colder and drier. The throat, nose and skin may begin to feel different, while digestion may still be carrying fatigue from the warmer months.
Doyō can therefore be understood as a period for checking in with the body before winter arrives.
Eat what is in season. Shift gradually toward warmer meals. Notice dryness, digestion, sleep and sensitivity to cold.
You do not need a special health ritual. You simply need to notice that the season is changing.
Kampo medicine also does not select a formula simply because it is autumn doyō. Dryness, dampness, cold, heat, digestion, sleep and overall strength all matter. If seasonal symptoms continue, professional consultation is recommended.
【おすすめの漢方薬】
この季節におすすめの漢方薬・漢方レメディ
秋土用に喉や鼻の乾燥、胃腸の不調、冷え、疲れなどが出ても、漢方では「土用だからこの漢方薬」と一律には考えません。乾燥が強いのか、湿気が残っているのか、すでに冷えが入っているのか、まだ熱が残っているのか。さらに、食欲、睡眠、便通、疲れ方、体力なども含めて身体全体を見ます。同じ「喉が乾く」「胃腸が重い」という訴えでも、身体の状態は人によって違います。ここでは具体的な漢方薬名は挙げません。季節が変わるたびに体調を崩す、秋から冬になると毎年同じ不調が出る、食事や生活を整えても戻りにくいという場合は、自己判断で漢方薬を選び続けず、専門家へ相談してください。漢方薬については薬戸金堂でご相談いただけます。体質や季節、現在の身体の状態を見ながら、その方に合った考え方をご提案しています。
※ インスタグラムやX、noteなどを見ていますと、「〇〇のときは〇〇湯」などと一覧で明示しているものがございますが、これらはあくまで参考程度にしておくとよいでしょう。自己判断はかえって治療の時期を逸してしまうことがありますので、しかるべきところでご相談してみてください。
漢方薬は、個々の体質に合わせた処方が大事になります。
当院をはじめ、漢方薬に詳しい漢方薬重視の薬局・薬店・ドラッグストアでのご相談をお勧めいたします。また、漢方薬は、変化する体質や時期によって変えていくこともありますので、定期的な受診をお勧めいたします。
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