【今週のひとこと養生訓】もう夏の土用!?|夏をしっかり生きて、次の季節へつなぐ養生

この記事の要点
イントロ|夏が始まったばかりなのに、もう土用?
「もう土用?」と思う方も多いかもしれません。
梅雨が明けたあと、これからが夏本番!という気持ちではないでしょうか。
しかし、東洋医学の暦では、7月20日頃から夏の土用に入ります。
土用とは、季節の終わりに訪れる約18日間の準備期間のこと。次の季節へと穏やかに橋渡しをしてくれる、大切な期間となります。
土用はとても大切なので、そのたびに土用の話になりますが、夏の土用の過ごし方についてご紹介します。
今週のひとこと養生訓
土用は、季節と季節をつなぐ時間
土用というと「土用の丑の日」や「うなぎ」を思い浮かべる方も多いかもしれません。
これは、エレキテルを発明した平賀源内のコマーシャル作戦が功を奏したものが広まり、定着したものという説があります。
しかし土用は、一年に四回あります。
それは、春夏秋冬、それぞれの季節の終わりに訪れます。
季節の終わりに訪れ、その季節を完成して次に受け渡す時期が土用です。
ということで、夏の土用は、「夏から秋へ向かうための準備期間」ということになります。
東洋医学では、体も暦の変化とともに動いていくと考えられますので、夏の土用もまた次の季節、つまり秋への準備を始める時季と考えます。
夏の暑さを、しっかり感じる
近年は冷房の普及もあり、できるだけ「暑さを避けること」が強調されることが多くなりました。もちろん、熱中症対策はとても大切で、していかないと命の危険にもなります。
しかし、夏という季節の力をまったく感じないまま過ごしてしまうのも、少しもったいないことです。夏そのものが悪いのではなく、夏の暑さを受け止める私たちの側の方に目を向けてみることも必要になります。
夏は汗をかき、陽気を十分に受け取る季節です。
朝の散歩をしたり、外の空気を感じたり、適度に汗をかいたりすることで、体は夏をしっかり経験します。
つまり・・・
土用は、「夏を終わらせる」のではなく、「夏をやり切る」ための期間でもあります。
土用は胃腸をいたわる時季
東洋医学の五行色体表の分類では、土用は「脾胃(ひい)」、つまり胃腸と深く関係していると定義されます。
胃腸の働きを端的に述べれば、食べたものを消化し、気や血を作る土台となる場所です。
冷たい飲み物やアイスクリーム、冷たい麺類などが続くと、胃腸は思った以上に疲れてしまいます。
イメージで言うと、胃腸は井戸のようなものです。
井戸の水は一年を通して同じような水温を維持していると言われますが、そのように、胃腸も安定した熱量が必要になります。
そこで、土用の期間は、いつにも増して胃腸に優しい食事を心がけてみましょう。
味噌汁や温かいお茶、ご飯を中心とした和食は、この時季の養生にぴったりとなります。
夏を最後まで楽しみましょう
ここまでのお話を聞くと、とても消極的な感じがした方もいるかもしれません。
しかし、夏は、秋のために我慢する季節ではありません。
暑いからといって家に閉じこもるのではなく、暑さと上手に付き合いながら、夏の陽気を十分に味わうことが大切です。だてに夏があるのではなく、体に必要な熱の力=陽気を補充するために夏があると思ってみてください。季節は移ろい、やがてまた寒い日が来るので、その前にここでしっかりと陽気を溜め込むことも必要になります。
夏にしかできないことがあります。
こういったことは、この季節ならではのこと。
つまり、こういった夏らしいことを感じることが、そもそも養生となるのです。
土用は、次の季節の準備をしながら、今の季節を十分に、そして大切に味わう時間であり、それが自分の生命力を高めてくれることになります。
まとめ
土用は、次の季節のための準備期間です。
しかし、それは「もう夏は終わり」という意味ではありません。
夏の暑さを感じ、汗をかき、胃腸をいたわりながら、夏を最後まで楽しみましょう。
夏をしっかり生きることが、健やかな秋へとつながっていきます。
東洋医学では、土用は「脾」の季節と考えます。脾とは、胃腸を中心とした消化吸収や水分代謝を担う大切な働きです。土用の時季は、湿気や冷たい飲食物によって脾が弱りやすくなります。胃腸を整えることは、次の季節を健やかに迎えるための土台づくりでもあります。胃もたれや食欲不振、軟便などが気になる方は、体質に応じて六君子湯や補中益気湯、人参湯などが用いられることがあります。ただし、漢方薬は体質によって異なるため、専門家にご相談ください。
心身のメンテナンス
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想生・想身・想心
私たちの体と心はいちばんの宝ものです。
長い人生の旅路をともにする心身を、整え過ごすために、体と心にやさしい鍼灸をお奨めします。

FAQ よくある質問と答え
土用とは何ですか?
なぜ土用は胃腸を大切にするのですか?
土用の丑の日には必ずうなぎを食べた方がよいですか?
土用の時季に気をつけることはありますか?
夏の土用は何を意識して過ごせばよいですか?
For English Readers
Summer Doyo – Preparing for the Next Season
In traditional East Asian medicine, Doyo is a short transitional period between seasons. Summer Doyo marks the time when nature begins preparing for autumn.
This period is closely related to the digestive system. Taking care of your stomach and intestines, avoiding excessive cold foods and drinks, and enjoying the energy of summer are all important seasonal practices.
Summer is not something to rush through. Feel the warmth of the season, sweat a little, eat nourishing meals, and prepare your body gently for the coming autumn.
【おすすめの漢方薬】
この季節におすすめの漢方薬・漢方レメディ
東洋医学では、土用は「脾(ひ)」、つまり胃腸の働きと深く関係する時季です。脾胃は、食べたものから気や血を作り、水分代謝を担う大切な土台でもあります。夏の暑さでたくさん汗をかき、冷たいものを摂る機会が増えるこの時季は、知らず知らずのうちに胃腸へ負担がかかっています。
「毎年、土用の頃から夏バテをしてしまう」「秋になると体調を崩しやすい」という方は、一度ご自身の胃腸の状態を見直してみるのもよいでしょう。漢方薬は、季節の変わり目を穏やかに乗り越えるための、大きな助けになることがあります。
- 食欲が落ちてしまった方向け
- 汗をかきすぎて体力が低下した方向け
- 睡眠のリズムが崩れてしまった方向け
- 軽い発熱や頭痛が起きてしまった方向け
- 熱中症の方向け
- 夏バテでへとへとな方向け
以上のような症状がある場合、鍼灸はもちろんですが、漢方薬も対応できます。
患者様の体調、体質、現在の状況などを考えながら処方してまいりますので、鍼灸のご予約が取れない場合でも、漢方相談による対応は承っておりますので、お気軽にご相談ください。
漢方薬は、個々の体質に合わせた処方が大事になります。
当院をはじめ、漢方薬に詳しい漢方薬重視の薬局・薬店・ドラッグストアでのご相談をお勧めいたします。また、漢方薬は、変化する体質や時期によって変えていくこともありますので、定期的な受診をお勧めいたします。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。






