〖今週のひとこと養生訓〗胃腸が湿気る!?|梅雨の湿気と胃もたれ・食欲不振の養生

この記事の要点
イントロ|部屋がじめじめする日は、体の中も湿りやすい
梅雨らしい天気が続くと、部屋の中までじめじめして、空気が重く感じられます。洗濯物は乾きにくく、床も少しべたつき、気分まで晴れにくくなる。実はこの時季、湿気の影響を受けるのは部屋だけではありません。体の内側、とくに胃腸にも湿がたまりやすくなります。
東洋医学では、梅雨のような湿度の高い季節には「湿」の影響を受けやすいと考えます。湿は重く、粘り、停滞する性質を持っています。胃腸に湿が停滞すると、食欲が落ちる、胃がもたれる、軟便になる、すっきりしないといった不調につながることがあります。
今週は、「胃腸が湿気る!?」を合言葉に、梅雨の胃腸を守る食べ方を見直してみましょう。
今週のひとこと養生訓
胃腸が湿気る!?
梅雨らしい天気が続き、お部屋の中もじめじめと不快に感じることが多いと思います。実はこんな時は、体の内側にも湿気が多くなりがちです。体の湿気は胃腸に停滞しやすく、食欲不振、胃もたれ、軟便などが起こりやすくなります。
何度もお伝えしていますが、生もの、冷たいもの、甘いものは胃腸を弱らせ、湿気を増やします。逆にもともと胃腸の弱い人は、少しの不注意でもすぐに湿気がたまってしまいます。胃腸の水はけをよくして、胃腸を元気に過ごしましょう。
梅雨の湿は、胃腸にたまりやすい
湿気というと、外の空気のことを思い浮かべます。けれども東洋医学では、湿は体の中にも生まれるものとして考えます。外の湿気が強い時季には、体もその影響を受けやすくなります。とくに負担がかかりやすいのが胃腸です。
胃腸は、食べたものを受け取り、体に必要なものへ変え、水分をめぐらせる土台です。この働きが弱ると、水分がうまくさばけず、体の内側に湿が残ります。湿が胃腸に停滞すると、食べたい気持ちが起こらない、食べると重い、胃がすっきりしない、便がゆるい、という形で現れます。
梅雨の胃腸不調は、単に食べすぎただけではなく、季節の湿と胃腸の弱りが重なって起こることがあります。
生もの・冷たいもの・甘いものに気をつける
梅雨の胃腸を弱らせやすいものに、生もの、冷たいもの、甘いものがあります。刺身やサラダ、冷たい麺、アイス、冷たい飲み物、甘い菓子類。どれも一つひとつが悪いわけではありません。しかし、梅雨の時季に重なると、胃腸を冷やし、水分のさばきを悪くし、湿を増やす原因になります。
冷たいものは胃腸の働きを鈍らせます。甘いものは湿を生みやすくします。生ものは消化に力を使います。湿度の高い季節にこれらが続くと、胃腸の中に湿った重さが残りやすくなります。
食べてはいけない、という話ではありません。大切なのは、季節に合わせて量と回数を控えることです。梅雨の間だけでも、冷たいものを少し減らす。甘いものを続けない。生ものばかりにしない。それだけでも、胃腸の水はけは変わってきます。
和食は、湿がたまりにくい食事
手書きのメモにもあるように、和食は湿がたまりにくい食事です。ごはん、味噌汁、焼き魚、煮物、漬物。こうした食事は、温かく、油が少なく、胃腸に余計な負担をかけにくい形をしています。梅雨の胃腸養生には、この昔ながらの食卓がよく合います。
とくに味噌汁や温かい汁物は、冷えた胃腸を助けてくれます。野菜も、生でたくさん食べるより、火を通して食べる方が胃腸にはやさしくなります。油の多い料理や甘いものを減らし、温かいものを一品添える。これだけでも、食後の重さは軽くなりやすいものです。
梅雨の食養生は、特別な食材を探すことではありません。胃腸が働きやすい形に、食卓を少し戻すことです。
胃腸が弱い人ほど、湿がたまりやすい
もともと胃腸が弱い人は、湿の影響を受けやすい傾向があります。少し冷たいものをとっただけで胃が重くなる。甘いものが続くと便がゆるくなる。食べすぎるとすぐにもたれる。そういう人は、梅雨の時季には特に注意が必要です。
胃腸が弱ると、水分をうまくさばけません。水分をさばけないと、湿がたまります。湿がたまると、さらに胃腸の働きが鈍ります。この巡りに入ると、食欲不振や胃もたれ、軟便が続きやすくなります。
だからこそ、梅雨は胃腸を助ける食べ方が大切です。よく噛む。食べすぎない。冷たいものを控える。温かい汁物を添える。夕食を重くしすぎない。こうした小さなことが、胃腸の水はけを守ります。
胃腸の水はけをよくする
胃腸の水はけをよくするとは、体の中の湿をためこまないようにすることです。水分をまったく取らないという意味ではありません。必要な水分はとりながら、胃腸に余分な湿を残さない食べ方をすることです。
冷たい飲み物を一気に飲むより、常温や温かいものを少しずつ。生野菜ばかりより、火を通した野菜を。甘いものを続けるより、食後を軽くする。油の多い料理を重ねるより、味噌汁や煮物を添える。こうした工夫が、胃腸の水はけを助けます。
梅雨の胃腸養生は、派手ではありません。しかし、体の土台を守る大切な養生です。胃腸が元気であれば、湿の季節も軽やかに過ごしやすくなります。
まとめ|梅雨は、胃腸を湿らせない
梅雨のじめじめは、外の空気だけの問題ではありません。体の内側、とくに胃腸にも湿がたまりやすくなります。胃腸に湿が停滞すると、食欲不振、胃もたれ、軟便などが起こりやすくなります。
この時季は、生もの、冷たいもの、甘いものを控えめにし、温かく、胃腸にやさしい食事を意識しましょう。和食のような、油が少なく、温かい汁物を含む食卓は、梅雨の胃腸養生に向いています。
今週は、胃腸の水はけをよくすることを意識して、体の中まで湿らせないように過ごしていきましょう。
梅雨の胃腸は湿をためやすくなります。冷たいもの、生もの、甘いものを少し控え、温かい汁物を一品添えましょう。胃腸の水はけをよくすることが、食欲不振や胃もたれ、軟便を防ぐ養生になります。
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長い人生の旅路をともにする心身を、整え過ごすために、体と心にやさしい鍼灸をお奨めします。

FAQ よくある質問と答え
梅雨に胃もたれしやすいのはなぜですか?
胃腸が湿気るとはどういう意味ですか?
梅雨に控えた方がよい食べものはありますか?
和食が梅雨の胃腸養生に向いているのはなぜですか?
水分は控えた方がよいのですか?
胃もたれや軟便が続くときはどうしたらよいですか?
For English Readers
During the rainy season in Japan, the air often feels damp and heavy. In East Asian medicine, this seasonal humidity is understood through the idea of “dampness.” Dampness does not only refer to moisture outside the body. It can also describe a stagnant condition inside the body, especially when digestion becomes weak.
The stomach and intestines are very important in this view. They receive food and fluids, transform them, and help the body handle moisture. When the digestive system is weakened, dampness can accumulate. This may lead to poor appetite, a heavy feeling in the stomach, bloating, loose stools, and a general sense of sluggishness.
Cold foods, raw foods, sweets, ice cream, and greasy meals can burden digestion, especially during humid weather. This does not mean they are always forbidden. The point is to reduce them when the body feels heavy or when digestion is weak.
Traditional Japanese meals can be helpful during this season. Warm miso soup, cooked vegetables, rice, grilled fish, and simple simmered dishes are gentle on the stomach and less likely to create excess dampness. A warm, simple meal can support digestion better than a cold or overly sweet one.
Seasonal self-care in the rainy season begins with the stomach. Keep the digestive system warm, avoid too much cold and sweet food, and help the body stay clear from the inside.
【おすすめの漢方薬】
この季節におすすめの漢方薬・漢方レメディ
東洋医学では、胃腸の働きは「脾胃」として捉えます。脾胃は、飲食物から気血を生み出し、水分をさばく土台です。梅雨の湿や、冷たいもの・甘いもの・生もののとりすぎによって脾胃が弱ると、水分代謝が乱れ、体の内側に湿が停滞します。これを「湿困脾胃」と見ることがあります。
このときの養生の要は、脾胃を助け、湿をさばくことです。漢方では「健脾利湿」という考え方が大切になります。健脾とは胃腸の働きを助けること、利湿とは余分な湿をさばくことです。食養生では、冷たいものを控え、温かく消化しやすいものを選び、甘味や油を重ねすぎないことが基本になります。
具体的な漢方薬は体質や症状によって異なります。胃もたれ、食欲不振、軟便、むくみ、だるさなどが続く場合は、自己判断で選ばず、専門家に相談することが大切です。
漢方薬は、個々の体質に合わせた処方が大事になります。
当院をはじめ、漢方薬に詳しい漢方薬重視の薬局・薬店・ドラッグストアでのご相談をお勧めいたします。また、漢方薬は、変化する体質や時期によって変えていくこともありますので、定期的な受診をお勧めいたします。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。







