〖今週のひとこと養生訓〗耳鼻咽喉科も湿!?|梅雨の鼻づまり・耳のつまり・咳と東洋医学の養生

この記事の要点
イントロ | 梅雨は、耳・鼻・のども重くなりやすい季節
梅雨に入ると、「耳のつまり」「鼻づまり」「のどに痰がからむ」「咳」「めまい」など、耳・鼻・のどに関係する不調を訴える方が増えることがあります。
先週の臨床でも、耳鼻咽喉科でよく見られるような症状の方が多く、いよいよ梅雨の湿気が本格的に体へ影響しはじめたように感じました。東洋医学では、梅雨のように湿気が多い季節は「湿」の影響を受けやすいと考えます。
湿は、粘り、停滞し、通りを悪くする性質があります。
そのため、耳・鼻・のどでは「つまる」「抜けない」「痰がからむ」「すっきりしない」といった形で現れることがあります。
今週は、「耳鼻咽喉科も湿!?」を合言葉に、梅雨の湿と耳・鼻・のどの養生について考えてみましょう。
耳鼻咽喉科も湿!?
先週は、耳や鼻、のどなど、耳鼻咽喉科でよく見られる症状の方が多かったです。
梅雨に入り湿気が多くなると、耳のつまり、鼻づまり、咳、めまい、頭痛などが起きやすくなることがあります。これは、湿気が体に悪影響となって、頭などに蓋をしてしまうイメージです。よく、“頭が締め付けられる”と表現したりしますが、こういった感じの頭痛、頭重も質によって起きることが多いものです。
また、長引く咳も、東洋医学では湿や痰の停滞と関係して考えることがあります。
ただでさえ湿気が多い梅雨の時期に、さらに食事の不摂生や胃腸の冷えは、体の内側の湿を増やしてしまい、自分から湿邪を受け入れてしまうことにもなります。
気をつけて、湿を増やさないように過ごしたいものです。
梅雨の湿は「詰まり」として出ることがある
東洋医学では、外から影響を受ける湿気を「外湿」と言います。
梅雨の時期は、空気がじとっと重く、洗濯物も乾きにくくなります。
それと同じように、体の中でも水のめぐりが滞りやすく、耳・鼻・のどでは「通りにくい」「詰まる」「粘る」という形で現れることがあります。
湿の性質をまとめますと、以下のようになります。
- 重い
- まとわりつく
- 停滞させる
- 停滞して“詰まる”
そしてこの湿の性質が体に影響を与えると、次のような症状が出てくることになります。
今回は、「耳鼻咽喉科」のお話なので、そこに関係するものを挙げてみます。
- 鼻が詰まる
- 鼻水が切れにくい
- 痰がからむ
- 耳がふさがる
- 咳が長引く
- めまいがする
湿の性質をまとめると、「抜けにくい」「通りにくい」「詰まる」というのがありまして、この状況が長引くと「湿」が溜まっていって、以上のような症状となります。
※ ご注意: もちろん、すべての耳鼻咽喉科の症状が湿だけで説明できるわけではありませんが、季節の養生の一つとして、こういったことも覚えておくと対処しやすいかもしれません。
鼻づまり・痰・長引く咳と湿
梅雨の時期に鼻づまりが続いたり、のどに痰がからんだり、咳が長引いたりする場合、東洋医学では「湿」や「痰」の停滞と考えることがあります。前段で湿は「通りが悪くなる」「詰まる」というお話をしましたが、湿が鼻に行った場合にこのような症状になります。
痰は、単にのどに出てくるものだけではなく、体の中で水分が滞り、粘りを持った状態でもあります。ある意味、痰として外に出てデトックスされるならまだよいと思ってもいいかもしれません。こういった現象が体内でも生じている方がむしろ問題となります。
鼻の奥が重い、鼻水がすっきり切れない、のどに何か残る感じがある、咳をしても痰が抜けきらない。こうした状態は、湿が多い季節に目立ちやすくなります。
※ ただし、梅雨の期間はカビやウイルスなどもはびこりやすく、感染症やアレルギー、そしてそこから派生する副鼻腔炎、喘息などになることもあります。症状が強い場合や長引く場合は、まずは耳鼻咽喉科などで確認することも大切です。
耳のつまり・めまいと湿
では次に、湿が耳に入ったらどうでしょうか?
この場合、「耳のつまり感(耳管閉塞症)」や「めまい」という症状として現れることになります。具体的な症状は、以下のようになります。
- 耳がふさがったように感じる
- 音がこもる
- 気圧の変化で耳が抜けにくい
- ふわふわするめまい
こうした状態もまた、東洋医学では水のめぐりや痰湿の停滞という視点から見ることになります。梅雨は外の湿気が多く、体の中の水のさばきも乱れやすい季節ですから、耳のような繊細な場所は影響が出やすくもあります。
※ 必ずしも耳の症状が全て湿によって起こるというわけではありません。他の条件で起きたり、他の条件が湿に重なることもあります。今回の『ひとこと養生訓』は、あくまでこの時期に起きやすいものであることをご注意ください。
「内湿」を増やす食事に気をつける
今までお話ししてきました湿は、梅雨の時期に多い湿気の話となります。
これは、外からやってくる湿気ですので、「外湿」というのはすでにお話ししておりますよね。
実は外湿だけではなく、体の内側に生まれる「内湿」というものがあります。
外からやってくる湿気だけではなく、自分の体が作り出すものもあるのです。
この内湿という考え方は東洋医学独自のものです。
では、どうして内湿が生まれるかと言いますと、胃腸の働きと深い関係があります。
「胃腸が弱る」「胃腸に負荷をかける」と、体の中に余分な湿が生まれやすくなります。
大事なことですのでまとめますと、以下のようなことで内湿は増えてしまいます。お心当たりのある方は注意してみてください。
- 食べすぎ(消化力をオーバーする範囲)
- 飲みすぎ
- 甘いもの
- 脂っこいもの
- 冷たい飲み物
- アイス
- 生もの
- 乳製品(とくにバターや生クリーム)
以上のようなものが多くなったり、続けてとっていますと、胃腸に負担をかけ、内湿を増やす原因になります。
たまにはめを外す、たまには自分を甘やかす、我慢しすぎない・・・こういったことも時に必要なこともあります。でも、“過ぎないこと”、“毎日にならないこと”など、そんな小さなことでよいので、頭の片隅に置いておいて欲しいなと思います。
冒頭の『ひとこと養生訓』の画像にあります「耳も鼻もつまったのはアイスのせい!?」という言葉は、少しユーモラスに聞こえたかもしれませんが、鍼灸臨床をしておりますと、多くの方がやってしまっていることで、笑えないことになっていることもありますね・・・。
湿を増やさない食べ方
梅雨の耳・鼻・のどをすっきり保つには、湿を増やさない食べ方が大切です。
難しいことをする必要はありません。
- 冷たい飲み物を一気に飲まない
- アイスを続けて食べすぎない
- 甘いものを控えめにする
- 脂っこいものを重ねない
- 温かい汁物を一品添える
これだけ心がければ、胃腸への負担はグッと減っていきます。
1週間でも変わりますので、症状がある方、もしかしたらと気になる方、予備軍の方はやってみてください。もちろん、好調な方も、その好調をキープするためにやってみてください。
食養生は、厳しく制限することではありません。全てをやめてくださいということではありません。
とくに、その時期の体に合わないものを少し減らすことだけでも、生きることが楽になる方向へ整っていきます。
首まわり・のどまわりを冷やしすぎない
耳・鼻・のどの不調があるときは、食事だけでなく、首まわりやのどまわりの冷えにも気をつけたいところです。
湿には「滞らせる」「詰まる」という性質があると何度もお伝えしましたが、寒さには「固まる」「凍る」性質があります。梅雨から夏にかけては、湿気が多い一方で、冷房に当たる時間も増えていきます。冷房の風が首やのどに直接当たると、体に「寒」が入り込んで、湿と合体してしまうことが往々にしてあります。
暑い日は冷房を上手に使うことが大切ですが、風向きを調整する、薄い羽織りものを使う、寝るときに首もとを冷やしすぎないなど、小さな工夫をしてみましょう。
湿と冷えが重なると、耳・鼻・のどの通りが悪くなりやすいので、冷やしすぎないことも梅雨の養生です。
まとめ|耳・鼻・のどの不調も、湿の視点で見てみる
梅雨は湿気が多く、耳・鼻・のどに詰まり感が出やすい季節です。鼻づまり、痰がからむ咳、耳のつまり、めまいなどがあるとき、東洋医学では湿や痰の停滞を一つの視点として考えます。大切なのは、湿を増やさないことです。冷たいもの、甘いもの、脂っこいものをとりすぎず、胃腸を冷やさないようにする。首やのどを冷房で冷やしすぎない。こうした小さな工夫が、耳・鼻・のどの通りを守る助けになります。今週は、耳鼻咽喉科も湿の影響を受けることがあると意識しながら、詰まりを増やさない養生をしていきましょう。
梅雨は、耳・鼻・のどにも湿の影響が出やすい季節です。鼻づまり、耳のつまり、咳、頭の重さなどが気になるときは、冷たいものや甘いものを控えめにし、胃腸を冷やさないようにしましょう。湿を増やさず、めぐりを助けることが、梅雨の養生になります。
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長い人生の旅路をともにする心身を、整え過ごすために、体と心にやさしい鍼灸をお奨めします。

FAQ よくある質問と答え
梅雨に鼻づまりが出やすいのはなぜですか?
耳のつまりも湿と関係しますか?
咳や痰も梅雨の湿と関係することがありますか?
冷たいものを食べると、なぜ鼻やのどに影響するのですか?
梅雨の耳・鼻・のどの養生には、何を意識すればよいですか?
どんなときは耳鼻咽喉科に行った方がよいですか?
For English Readers
In East Asian medicine, the rainy season is considered a time when “dampness” can easily affect the body. In this article, the focus is not on general fatigue or heaviness, but specifically on the ears, nose, and throat. Dampness has a sticky and stagnant quality, and it may be understood as one possible factor behind symptoms such as nasal congestion, phlegm, a lingering cough, a blocked sensation in the ears, or dizziness.
During humid weather, some people feel that their nose does not clear well, phlegm remains in the throat, or the ears feel blocked. From a traditional perspective, these symptoms may be related to dampness or phlegm obstructing the smooth flow of the body. This does not mean that all ear, nose, and throat symptoms are caused by dampness. Allergies, infections, sinus problems, and other medical conditions may also be involved.
Diet is an important part of seasonal self-care. Too many cold foods, iced drinks, sweets, greasy foods, or overeating may burden digestion. In East Asian medicine, weakened digestion can lead to internal dampness, which may contribute to phlegm and a feeling of obstruction in the nose or throat.
A simple approach during the rainy season is to avoid overcooling the stomach, reduce excessive sweets and cold drinks, include warm soups or teas, and protect the neck and throat from direct air conditioning. The goal is not to force the body, but to prevent dampness from accumulating and to help the ears, nose, and throat stay clear.
If you have ear pain, hearing loss, severe dizziness, fever, strong throat pain, persistent cough, or severe nasal congestion, please consult a medical professional. Daily self-care can support the body, but it should not replace appropriate medical care when symptoms are significant.
【おすすめの漢方薬】
この季節におすすめの漢方薬・漢方レメディ
先週から今週にかけて、皆様のお身体を拝見しますと、やはり湿気が侵入している方が多くなってきています。
特に胃腸に湿気が溜まっている方が多いようです。
寝た状態でお腹を叩いてみると、胃の辺りがぽちゃぽちゃしている方は、“胃内停水”と呼ばれるもの。こんな状態ですと、消化液のバランスが崩れていることが多く、消化不良を起こすこともあります。こういったところからお腹の風邪を引いてしまうことがありますので、お心当たりのある方は要注意です。
もちろん、鍼でもその辺りを調整して参りますが、漢方薬も使いながら養生することも時には必要となります。
当院をはじめとする、漢方に長けた漢方専門薬局などにご相談ください。
ご予算なども含めてご相談に乗りますので、お気軽にお尋ねください。
漢方薬は、個々の体質に合わせた処方が大事になります。
当院をはじめ、漢方薬に詳しい漢方薬重視の薬局・薬店・ドラッグストアでのご相談をお勧めいたします。また、漢方薬は、変化する体質や時期によって変えていくこともありますので、定期的な受診をお勧めいたします。
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。








