【今週のひとこと養生訓】「今年の気候は安泰!?」
【今週のひとこと養生訓】
「今年の気候は安泰!?」2021年2月如月・第1週
この記事のポイント
東洋医学の暦に、五運六気(ごうんろっき)というものがあります。これは、天の気と地の気というのがどのように巡るかというのを示したもので、どんな季節がやってくるかを探るもの。占いとは少し違うのですが、今年の気候の推移を読んでみました。
五運六気とは?
東洋医学の暦に、「五運六気(ごうんろっき)」というものがあります。
これは、天之気と地之気がどのように変化していくかというのを予測するもの。
天之気とは、空間のことで、簡単に言えば空模様のような感じでしょうか。
そして地之気は地面のことで、地上のことといってもいいかもしれません。
この天之気と地之気は巡っていきます。季節に春夏秋冬があるように、循環しています。五と六の数字でズレて動いていきますが、その微妙なズレで、どんな季節が来るかを表現していきます。
こういった学問があるのは、季節によって身体が変調するからで、その変化の波を捉えて生活することが養生になるためです。五運六気は一見すると占いのように見えなくもないのですが、統計学的に天気のサイクルを予測したものといえます。
下の写真は、明の時代に張介賓先生が書いた『類経図翼』に掲載された図の一部です。
五運六気は現在も研究がされておりまして、以下のような研究書がいくつも出版されています。
五運六気は当たるのか?
五運六気の理論ができあがったのは、今から2000年前ではないかと思いますが、その頃に比べると気候も大きく変ってきたはずです。地球温暖化の影響で、ここ数年は“異常気象が正常気象”というくらい、異常気象に驚かなくなってきたように思います。日本にとどまらず、世界各地で大きな災害が発生したりと、とにかく落ち着きがありません。
このような地球規模での気象の変化で、果たして2000年前のツールが役に立つのだろうか?と思われるかもしれません。このあたりは、私自身も今後の推移を見定めながら、適度な修正も必要かと思っています。なので、毎回季節の変わり目に見ているのですが、気象庁の予報と異なるときは、さてどうなるのか?と見守っております。
実際にどんな季節が来るかを観察していると、“当たっている”というと占い的な表現になりますが、確かに当たったということばかりです。ひょっとしたら、気象庁が出す長期予報なんかよりも当たるのではないかと思うくらいです。
これは、五運六気が地球と太陽の位置関係を計算したものなので、それは2000年経っても両者の距離が極端に縮んでいるわけでもありませんから、これはこれで役に立つ指標になるということなのかなと想像しております。
今年の五運六気は?
暦の世界では、立春がお正月になります。
そこで、今年の五運六気を見てみました、一年の始まりですからね。
そうしてみてみますと・・・
今年はどの季節も「順」になるということが分りました。
「順」とは、「逆」の反対と言ったら分りやすいかと思いますが、つまり、順応、順調の「順」でありますから、大きく崩れることはないということです。つまり、その季節らしさが順調に現れるということになります。
つまり、春は春らしく、夏は夏らしく、その季節の特徴がよく出る一年ではないかと思います。
場合によっては、その季節らしさが順調にいきすぎて過剰になることもあるかもしれませんが、基本は安泰なのではないでしょうか。
身体にとっては、「逆」よりも「順」の方がいいものです。
ということは、季節の巡りに合わせて生活していれば、身体も心も健やかになるということになります。でも、逆にいえば、せっかく季節が私たちに味方してくれているのに、自分のエゴで逆行するような生活をしていたら、それは大きな逆回転となって身体に返ってくることでしょう。
新型コロナウイルスCOVID-19の行方が気になるところです。
ワクチン接種などで希望は見えつつありますが、変異腫の出現など、まだまだ気を許せないところがあります。
しかし、もしかしたら新型コロナウイルスCOVID-19も、この季節の流れにほだされて、やさしくなってくれるかもしれません。あまりに希望的観測をしすぎるのもよくはありませんが、あくまで“希望”は持ちたいものです。
いずれにせよ、今年は私たちが季節の流れに沿った生活をしていれば、自然が私たちを助けて健康にしてくれる一年になります。台風、雪、そしてウイルスなど、さまざまな自然の脅威にさらされていることが多い昨今ではありますが、今年は自然が味方してくれるのですから、自然に敬意を表し、自然とともに歩んでいく気持ちを忘れずにもってみてはいかがでしょうか。
オススメの漢方薬
季節に合わせた漢方薬も
漢方薬は、その人の体質や身体の状況、症状の有り無しを見極めながら処方していくのが基本になりますが、これとは別に、季節によってはとくにこれを飲んでおくといいですといった、各季節の養生的な漢方薬も多くあります。
例えば冬などは寒くて風邪をひきやすいということで、葛根湯を常備している方も多いかと思いますが、こういった心がけも養生といえます。
その他にには、夏などは、暑さや湿気によって心肺機能にとても大きな負担がかかりますので、そこを補う麦味参顆粒(原方名は生脈散)がオススメになったりします。
このようなお話しは、その季節がこないと忘れてしまうことも多いですから、またその都度ご紹介もしますし、また、ご来院なさったときにでも遠慮なくご相談下さい。
春は花粉症など
春といえば花粉症。
これさえなければよい季節なのに・・・と思う方も多いのではないでしょうか。
昨年はマスクをしたり、外出も控えていたという方も多かったので花粉症の程度が軽くなっていたという方も多かったように思います。
でも、やっぱり不安ではありますよね・・・。
ということで、外敵から身を守る漢方薬である衛益顆粒がオススメになります。
衛益顆粒の原方名は玉屏風散といいますが、これは“鉄壁な屏風で身を守る!”という意味で名付けられたものです。衛益顆粒は味も飲みやすいこともあり、組合せもしやすい名方です。
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2021.1.7の緊急事態宣言を受けて
鍼灸院は医療機関ですので、よっぽどの要請がない限り鍼療を続けていきます。
これまで通り、またそれ以上に消毒などの感染症対策に気を配ってまいります。
ご予約時間ちょうどのご来院など、患者様にもご協力を賜るところもありますが、皆様ご自身のためでもありますので、そのあたりはご賢察のほどよろしくお願いいたします。
具体的な当院の感染症対策
- 院内の換気を十分に行う
- 院内の消毒を十分に行う
- 施術時の手指消毒をいつもより濃い消毒液で行う
- 3密にならないように配慮する
- 感染症に対する情報を常に収拾し、提供する
- スタッフはマスクを着用する
- 国の接触アプリを活用する
※ 院内はとても狭いため、3密にならないようにご予約時間ちょうどにいらしていただいております。皆様のご協力を賜りたいと思います。
ご予約に関して
ただいまみなさまには、ご予約の日時をなるべく2週間以内くらいのものにしていただいております。
といいますのは、政府や自治体、そしてお勤めの会社などから移動の制限をされる可能性もあり、また、ご予約日直前で発熱などがあった場合は受鍼をお断りせざるを得ないこともありますので、あまり先のご予約は予定が立ちにくいからです。
ご配慮いただきまして、ご予約をいただけたらと思います。
また、このような状況になりまして、みなさまそれぞれの生活環境なのかで時間を割いてご予約を取っている方がほとんどです。
安易なキャンセルや時間変更は、他の方のご予約の妨害行為となりますので、度重なる場合は今後の鍼療をお断りしますので、合わせてご賢察ください。