『街を変える小さな店』
京都は寺社仏閣だけではない魅力
去年(2017年)の夏休み、奥さんの実家に帰省する前に、京都に一泊しました。
下鴨神社で開催されている古本祭りをメインに、その周辺をサイクリングで回りました。
若い頃、ちょっとした修行ごっこをしておりまして、京都のお寺さんに通っていたことがあります。
当時は夜行バスで出て、早朝に京都に到着。
お寺さんに行くのは夕方からでしたので、早朝到着ですと、それまでの時間をもてあそんでしまいます。
そこでその時はお寺系が好きだったもので、京都市内のお寺巡りをして時間を過ごしておりました。
そんなことをしておりましたので、京都はそれなりに行っていると思っていたのですが、こうしてサイクリングなどをして京都の街を巡り、ガイドブックを片手にカフェなどお店に入ったりしてみると、意外にも、過去に何度も京都に足を運んでいても、京都を“街”として歩いたのはこれが初めてなのかなと感じました。
片手に持っていたガイドブックは雑誌『ポパイ』の京都特集。
ここ2年くらいでポパイもだいぶ様変わりして、硬派で充実したものになっておりまして、たまに治療院に置くものとして手にしていたのですが、この時の京都特集は自分にはちょうどいい感じの内容でした。
古き良きと言いますか、古くても新しいというのでしょうか、新しいけど伝統が息づいているというのでしょうか。
しかもそれらはそれを意図的に狙うわけでもなく、必然的にそうなっていったような、そういった京都の持つ“地の力”を感じるもの。
そういったお店や街を巡っていくうちに、徐々に京都の街に魅了されていきました。
ちょうどお盆の時期でしたので、京都はめちゃくちゃ暑く、自転車の気持ちのいい風を感じつつも汗はだらだら。
しかしそれもまた自分にとっては京都らしさの演出として感じるのでありました。
ということで、それ以来、京都のお店の佇まいがとても気に入ってしまって、こんなにすてきな世界が広がっているんだなぁと、ようやく京都の街の楽しさを知った次第であります。
あの夏以来、京都には行っていないのですが、事ある毎に京都のことを気にかけています。
冒頭に載せました『街を変える小さな店』は、恵文社一乗寺店というマニアックな書店の店長(当時)が書いたもの。著者自身が書店員として成長していくところ、そしてそれと共にお店の形体が変わっていく様子、そしてそこから街が広がっていく姿が、ぐいぐいと読む者を引き込んでいきます。
これからお店を始めてみたい方や、街づくりに興味がある方などにとても有効な内容だと思います。
かくいう私も、将来はお店を持ってみたいという願望もありますし、箱根の実家のお店の今後も気になります(他人事のようですが、私は別の道を進んでしまったので)。そういった視点で読んでみると、本書はいろいろなことを問いかけてくれます。
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