背筋がゾクッとしたら?|風邪の初期は、首の付け根のツボ「大椎」を温める
この記事の要点
初出:続・鍼たま(2007年1月8日)/2026年10月29日 改訂
背筋がゾクっとしたら?
暦の上では、毎年1月5日か6日ごろに「小寒」を迎え、寒さがいよいよ増してきます。この小寒から「寒の入り」となり、年賀状を出しそびれたり、お返事が遅れたりした場合には、寒中見舞いの便りがはじまります。そんな寒さの厳しい季節に、気をつけたいのが、体の冷えです。
冷えは、上からも下からも入ってくる
冷えは、体によくありません。足元から冷えが上ってくることはよく知られていますが、実は、上からも冷えは侵入してきます。首や背中が冷えると、そこから体の奥へと冷えが入り込み、全身のめぐりに影響を与えることがあります。
東洋医学では、こうした外からの冷えを「寒邪(かんじゃ)」と呼びます。寒邪は、皮膚の表面から入りこみ、体の防御のはたらきを乱して、風邪(かぜ)の入り口になると捉えます。だからこそ、季節の変わり目や寒い時期には、首や背中をあたためることが、養生の基本になります。
背筋がゾクッとするのは、冷えが背中から入ってきたサイン
上からやってきた冷えのなかに、背中がゾクッとするものがあります。
これは、背骨のあたりから冷えが入ってきたものです。ぞくぞくとした寒気、いわゆる悪寒(おかん)で、風邪の初期によく見られる兆候です。
背骨に沿って、体の背面を縦に走る「督脈(とくみゃく)」という経脈があり、東洋医学では、体の陽気(あたため、守る力)をまとめる道すじと考えます。この背骨のあたりから冷えが入ると、陽気の守りが乱れ、背中にゾクッとした寒気が走ります。「あれ、ちょっとゾクッとするな」と感じたら、体が発している、小さな警告だと受け止めてください。
ゾクッとしたら、大椎を温める
この兆候があったときは、ぜひとも、次のことをしてください。それは、「大椎(だいつい)」というツボを温めることです。
大椎は、首を前に曲げたとき、首のつけ根に、ぐっと出っ張る骨があり、そのすぐ下のくぼみ(第7頸椎の棘突起のすぐ下)にあります。自分で触れても確かめやすい場所です。このツボは、督脈上にあって、体の陽気を調整するツボといわれています。体の陽気をととのえ、入りこもうとする冷えに、立ち向かう力を助けると考えます。
背筋がゾクッとしたときには、この大椎に、貼る使い捨てカイロをつけてください。風邪がまだ初期の段階で、背中がゾクッとするだけであれば、この対処でも十分に和らぐことが多いので、ぜひやってみてください。

カイロを使うときの注意
直接、肌にカイロを貼ると、やけどの恐れがあります。必ず、シャツなどの衣類の上から温めてください。
- 衣類の上から貼り、肌に直接つけない
- 「熱い」と感じたら、位置をずらすか、はずす
- 寝るときは、低温やけどの恐れがあるため、貼ったままにしない
- 皮膚が弱い方や、感覚の鈍い方は、とくに気をつける
温めてよい場合と、避けたほうがよい場合
この対処は、寒気が主で、まだ熱が出ていない、風邪の初期のためのものです。もし、すでに高い熱が出ている、のどの痛みや熱感が強い、顔がほてる、といった場合は、温めることが合わない場合もあります。その場合は、無理に温めず、ゆっくり休んでください。
今日からの養生
- 首の後ろにスカーフやタオルを巻いて、冷えが入るのを防ぐ
- 入浴で体を温め、湯冷めしないうちに休む
- 寒気を感じたら、温かい飲み物を少しずつ飲み、早めに休む
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない
まとめ
背筋のゾクッは、体が冷えを知らせる、小さなサインです。そのときに、大椎を温めるという一手間をかけることで、風邪の初期の段階で、体を守ることができるかもしれません。寒さの厳しい季節、ふだんから首と背中を冷やさないことを心がけてください。
FAQ よくある質問と答え
When a Chill Runs Down Your Spine: Warming “Dazhui” at the Onset of a Cold
Around January 5 or 6 each year comes Shokan (“Minor Cold”), when the cold season truly begins. This is also when winter greeting cards start to circulate. In this season, keeping the body from getting chilled matters a great deal. We often know that cold rises from the feet, but cold can also enter from above, through the neck and back.
When a chill runs down your spine, East Asian medicine sees it as a sign that cold has entered the body along the back. This kind of shivering, called okan, is common at the very start of a common cold. East Asian medicine describes a channel called the Du Mai (督脈), which runs along the spine and gathers the body’s yang energy, the warming and protective power. When cold gets in near the spine, this protection is disturbed, and the chill appears.
If you notice this sign, we recommend warming a point called Dazhui (大椎, “Great Vertebra”). When you bend your neck forward, a bony bump stands out at the base of the neck, and Dazhui lies in the hollow just below it. It sits on the Du Mai and is said to help regulate the body’s yang. Place a disposable adhesive heat pad over it, on top of your shirt. If the cold is still at an early stage and you only feel a shiver, this simple step often eases it, in our experience.
Please never apply a heat pad directly to the skin, because it can cause burns. Remove or move it if it feels hot, and do not sleep with it on, as low-temperature burns can occur. This approach is meant for the chills of an early cold, not for the stage when a high fever, a strongly sore throat or flushing has already appeared. This is a self-care method based on East Asian medicine, not a guaranteed way to prevent or cure a cold. If you develop a high fever, severe symptoms, or symptoms that last for several days, please consult a medical doctor.
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源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋遊人会・会長/日本中医会・会長/東洋脉診の会・会長
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。







