細胞の数はどのくらい?
細胞はどれくらいあるのだろう?
細胞の種類
少し前の現代医学の本を読んでいると、「人体の細胞は200種類ある」と書かれていることが多いです。
しかし現在は、学問が進んで分かってきたことも多くなって、「250〜300種類ある」ということが分かりました。これは細胞の定義など、分け方にもよるようなのですが、私たちの体は概ねこれくらいの種類の細胞で成り立っているようです。
細胞の数
次に細胞の数ですが、これも少し前と今とでは数に違いがあります。以前の現代医学の本には、60兆あると書かれています。これはあくまで大雑把な推定値だったようですが、現在では「最も少ない概算で37兆2千万個」となっております。もちろん体の大小によって前後しますので、これより多い人もいると思います。いずれにせよ、それだけの数の細胞が私たちの体で動いているということになります。ちなみに、このうちの6割は赤血球になりますので、いかに血液が大事であるかということがわかるかと思います。
全てが協調している
細胞レベルでの病変を観察する現代病理学の概念からすれば、この膨大な数の細胞が全て正常な状態であることが健康であって、逆にたった一つの細胞でも壊れていれば、それはすなわち“病気”というレッテルを貼られてしまうことになるわけです。
しかし、これだけの数の細胞があるのですから、どれか一つくらいは壊れていてもおかしくないわけですが、日々の生活でそれが意識に上らないようになっているのは、とにもかくにも免疫力のおかげであったり、細胞だけで生きているのではなく、細胞、組織、臓器、そして体全体で生命を形作っている所以なです。
それにしても、これだけの数の細胞が全て生きていて、全て協調しているというのは、考えてみれば不思議なことです。細胞は、自分自身の役目をしっかり果たしながら、周りと喧嘩することなく組織、臓器、全体として活動し、私たちの生命が成り立っているわけですから。
細胞レベルから言えば、日々の様々なストレスや異常な環境の変化などを受けながらも、なんとか必死になって生き、そしてそのためにみんなが協調しているということが、生きているということの真実なのかもしれません。
細胞一つで生きられない
パラドックスのようなのですが、ミクロの視点で見てみると、私たちの命や健康といったものは、その構成要素のうちで最も小さい細胞に委ねられているのですが、しかし、これを一気にマクロの視点に引き上げてみると、細胞一つでは生きていけないのが多細胞生物というものです。単細胞生物であるアメーバーならいざ知らず、私たちは全体として生きている多細胞生物なのです。
このようなミクロとマクロの視点を巧みに取り入れたのが、他でもない東洋医学・中医学ではないかと思います。鍼灸鍼療では、症状のある部分を観ながらも、体全体の視点が常に重要になってきます。細分化してしまった現代医学とは違った視点で体を見つめることは、今こそ必要なものだと思うのであります。
器質的疾患と機能的疾患と
細胞が壊れて、組織や臓器になんらかの形態的な異常が認められる病気のことを「器質的疾患」と言います。
その一方で、MRIや血液検査などさまざまな検査をしたけれど何も病気らしい病気が認められないようなもの、つまりは細胞レベルでの異常が認めらない体の不調を「機能的疾患」と言います。こういった症状を総称して「不定愁訴」と呼びますが、機能的疾患の代表が精神疾患でもあるので、不定愁訴を訴える方の多くはうつ病のような精神疾患に放り込まれてしまうことになってしまいます。こういった機能的疾患は目で見える範囲での異常が見られないので、目で見えるものを対象とする現代病理学的にはどうやっても病気として把握できません。
東洋医学・中医学で考えてみる
以上のように、現代病理学的には病気として捉えられない不調というものがあるわけですが、こういったものは圧倒的に東洋医学・中医学の方が強いのではないかと思います。
その理由の一つは、経絡というネットワークの存在。
上述したように、細胞は個々で単独で生きているわけではなく、全体で生きています。しかも全体が協調しているわけですから、そこに何かのネットワークがあるはずです。現在、そのネットワークの一部がホルモンが担っていることがわかってきていますが、しかし、まだまだ細かいところも全体も解明しきれていません。東洋医学・中医学では、それが何であるかは分からなくても、経絡というネットワークの存在を古来から把握しておりますので、その概念・智慧を使えばその状態を把握して、改善することは可能となります。
そしてもう一つの理由は、陰陽や五行といった概念を用いることで、全体の関係性を深く探求できるところにあります。陰陽、五行というと、東洋医学・中医学を学んでいる方の中でも古めかしいものとして敬遠する方もおりますが、これは体や心のバランスをつかむためのツールです。これを一つ一つ解明していくと、より実際の体に則したものとして利用することができます。
まとめ
以上をまとめますと、細胞の種類200〜300あり、その数は37兆2000万個。
それだけでも驚くかもしれませんが、さらにそれらが全て有機的に繋がっていて、私たちの生命=いのちを形づくり、日々の生活を営んでいるということになります。これはよくよく考えるととても不思議なことですね。
東洋医学・中医学には、ミクロの視点での症状の改善という面もあり、また、生命全体の活力といった、より広いマクロの視点でも活用できる価値があります。
源保堂鍼灸院・院長
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
鍼灸師・登録販売者・国際中医師
東洋医学・中医学にはよりよく生活するための多くの智慧があります。東洋医学・中医学をもっと多くの方に身近に感じてもらいたい、明るく楽しい毎日を送ってほしいと願っております。
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